造作譲渡の相場はいくら?造作譲渡料の決まり方・業態別平均・高く売る交渉術をM&A仲介が解説【バー・スナック対応/2026年最新】

「店を閉めるが、内装と設備はいくらで売れるのか」

造作譲渡料の相場が100〜300万円と聞いたが、自分の店はどの帯なのか」

このように、造作譲渡の相場が分からず売り時を逃すオーナーは少なくありません。

結論から申し上げます。飲食店の造作譲渡料は100〜300万円が最も多い帯ですが、業態で大きく変わり、そして解約日が近づくほど価格は下がります。

この記事では、業態別の平均相場(実データ)、造作譲渡料の決まり方、原状回復費との損益分岐、バー・スナック等ナイト業態特有の造作価値、そして居抜き売却・M&Aとの手取り比較までを、データと実務をもとに解説します。

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目次

造作譲渡の相場は「100〜300万円」が目安──ただし業態で激変

造作譲渡料の相場は、おおむね100〜300万円が目安です。居抜き仲介・店舗売却メディアの多くが、このレンジを共通の相場感として示しています。

ただし「100〜300万円」は平均的な飲食店の話です。実際には、設備が古ければ0円(無償)譲渡、好立地で重設備の大型店なら500万円超まで、幅は非常に大きいのが実態です。

相場を左右する要因は、大きく「業態」と「立地」です。まず混同しやすい『造作譲渡』と『居抜き』の違いを整理してから、業態別・立地別に見ていきます。

「造作譲渡」と「居抜き」は何が違う?

「造作譲渡」と「居抜き」は混同されがちですが、指しているレイヤーが違います。ここを整理すると、相場の話が一気に分かりやすくなります。

ひとことで言えば、「居抜き」は店舗の”状態”の呼び方、「造作譲渡」はその設備を売買する”契約とお金”の部分です。

用語指すものお金の中身契約の相手
居抜き内装・設備が残った”状態”で引き継ぐこと(俗称)物件の状態を表す言葉
造作譲渡その内装・設備を旧借主→新借主へ売買する契約造作譲渡料旧借主⇄新借主
賃貸借の承継物件を借りる契約を結び直す賃料・保証金貸主⇄新借主
つまり「居抜き物件の取引」は、実務上「造作譲渡(設備の売買)+賃貸借契約の承継(貸主と新借主が結び直す)」の2つで成り立っています。

居抜き売却の全体像は居抜き売却の3択、譲渡契約の中身は造作譲渡契約書で解説しています。本記事の「相場」は、このうち造作譲渡料の話です。

【業態別】造作譲渡料の平均相場(実データ)

業態別の造作譲渡料の平均相場 中華324.9万円 焼肉324.2万円 洋食294.4万円 鉄板焼きお好み焼き271.3万円 専門料理266.0万円 テイクアウト182.0万円 カラオケパブスナック168.6万円 お弁当惣菜デリ136.2万円 飲食店ドットコム東京データ

業態によって、造作譲渡料の平均額は2倍以上の差がつきます。これは厨房設備の重さ(原価)の違いによるものです。

飲食店ドットコムの業態別平均

まず、飲食店ドットコムが公開している業態別の平均造作譲渡価格(東京データ)を見てください。

業態平均造作譲渡価格NightMAの評価
中華324.9万円重飲食の最高帯
焼肉324.2万円排気・防臭設備が高評価
洋食294.4万円重厨房で高め
鉄板焼き・お好み焼き271.3万円ダクト・排気が価値
専門料理266.0万円設備依存
テイクアウト182.0万円軽設備
カラオケ・パブ・スナック168.6万円ナイト系に最も近い帯
お弁当・惣菜・デリ136.2万円最も軽い
数値は飲食店ドットコムの業態別データによります。ナイト系に最も近い「カラオケ・パブ・スナック」は平均168.6万円で、飲食全体の中ではやや低めです。

相場は立地でも動きます。同じデータでも上位は港区294.3万円・渋谷区294.2万円です。

繁華街で設備が強い案件なら、新宿区の募集額相場が年によって500万円超になることもあります。

重飲食が高く、軽飲食が低い理由

業態で差が出る理由

中華・焼肉などの重飲食が高いのは、グリーストラップ・大型ダクト・強力な吸排気・防臭設備など、新規で作ると高額な設備が揃っているからです。

「新規で作るより居抜きを買う方が安い」という構造が、造作譲渡料を押し上げます。坪単価では、不動産買取タイヨーが重飲食で坪10万円以上、カフェ・バーなど軽飲食で坪5〜7万円程度と示しています。

逆にナイト系が低めに見えるのは、重い厨房設備が不要だからです。ただしこれは「設備原価が軽い」という意味で、後述するナイト業態の造作価値とは別の話です。

立地で造作譲渡料はいくら変わる?──エリア・階数の影響

造作譲渡料は、同じ業態でも立地で2倍以上変わります。設備の価値に「立地プレミア」が上乗せされるからです。

立地:エリアによる差

まずエリア差です。飲食店ドットコムの平均でも、港区294.3万円・渋谷区294.2万円が上位です。

新宿区の募集額は、直近1年平均で421.8万円です。年別では2024年374.9万円→2025年333.5万円→2026年515.3万円と動き、200〜600万円台に集中します。

立地:階数・立地区分による差

次に階数と立地区分です。視認性と集客力が価格に直結するため、同じ広さでも下表のように評価が変わります。

立地の要素高評価(高くなる)低評価(下がる)NightMAの評価
階数路面1階2階以上・地下1階>2階>地下が原則
エリア繁華街・駅近オフィス街・郊外集客力=設備価値の土台
坪あたり賃料一等立地 約3万円1.5等立地 約1.5万円家賃が高い立地ほど造作も高い
通り・視認性大通り沿い・角地路地裏・空中階看板が見えるか
これは「賃料が高い立地ほど、造作譲渡料も家賃倍率で高くなる」構造です。坪賃料の6〜10倍を目安とする査定では、立地が相場の天井を決めます。

ナイト業態は繁華街の空中階(2階以上)が多く、路面1階より評価は下がりやすい一方、内装・演出設備の作り込みで巻き返せます。

造作譲渡料はどう決まるのか(査定の要因)

造作譲渡料は「設備の価値」だけで決まりません。立地・賃料・面積・営業年数まで含めた総合査定で決まります。

査定で見られる主要因

査定で見られる主要な要因は次の通りです。これらが揃うほど高く評価されます。

  • 設備の種類・年式・稼働状況(新しく壊れていないほど高い)
  • 立地と階数(繁華街・1階>2階>地下)
  • 賃料・保証金などの賃貸条件
  • 営業所の面積
  • オープンからの営業年数(浅いほど高い)
実務では「家賃倍率」も目安に使われます。坪あたり賃料の6〜10倍程度を造作譲渡額の目安とする手法があり、立地と賃料が相場の土台になります。

リース品・故障品・第三者所有物はマイナス要因

リース品・第三者所有物の注意

注意したいのが、売り手の所有でない設備です。リース品・レンタル品・割賦中の物件・故障品は、造作譲渡の対象外かマイナス要因として扱われます。

これらを譲渡対象に混ぜると、引渡し後のトラブルや減額の火種になります。何を渡せるかの線引きは造作譲渡契約書の必須条項で整理しています。

解約日が近いほど価格は下がる──時間が交渉力を決める

造作譲渡で最も見落とされるのが「時間」です。解約日が近づくほど、売り手の交渉力は急速に下がります。

理由は単純です。募集から成約までには通常数か月かかります。解約予告期間(一般に3〜6か月)内に相手を見つけて成約できなければ、売り手は自腹で原状回復工事をするしかありません。

「時間切れ=原状回復を自腹でやるリスク」が現実化するほど、売り手は価格よりスピードを優先せざるを得ず、買い手の値引き圧力が強まります。

【NightMA 専門家の視点】
造作譲渡は「営業中・時間に余裕がある段階」で動いた人が一番高く売れます。閉店を決めてから慌てて募集すると、解約日というタイムリミットに価格を削られる。撤退を考え始めた時点が、実は一番高く売れるタイミングです。

高く売る実務|売り手が今すぐやること

造作譲渡料を高く保つコツは、難しいテクニックではありません。早く動き、状態を整理し、営業実態を見せることです。

具体的に、売り手が今すぐやるべきことは次の通りです。

  • 解約を決める前から募集の相談を始める(時間を味方にする)
  • 設備の年式・稼働状況・リース有無を一覧化する
  • 故障箇所は把握し、告知できる状態にする
  • 営業中の状態で内見できるようにする(稼働実態が魅力になる)
特に「営業中に動く」ことが重要です。スケルトンに戻してからでは、買い手に造作の価値が伝わりません。

買い手の値引き交渉とライフサイクルコスト

買い手は「譲渡料の額面」だけで判断しません。将来かかるコストまで含めた総額で、値引きを組み立てます。

たとえばあるシミュレーションでは、譲渡料300万円でも将来の修繕費が400万円見込まれるなら、総コストは700万円です。新規で作ると800万円なら、差額100万円のために中古設備を引き継ぐ価値があるか、という論点になります。

買い手が値引きの根拠にするのは、残存耐用年数・将来修繕費・不要設備の撤去費・割高な賃料条件です。売り手はこれらに先回りして、設備の状態を整理しておくと交渉を有利に運べます。

0円(無償)譲渡でも得になるケース──原状回復費との比較

0円譲渡でも得になるか 原状回復費との比較 スケルトンに戻すと飲食店の原状回復費は坪5〜15万円で15坪なら75〜225万円の自腹支出 0円でも居抜き譲渡すれば原状回復費を丸ごと回避で実質プラス 設備が古く値が付かない店ほど0円譲渡が合理的

「0円で譲るくらいなら損」と思いがちですが、これは誤解です。原状回復費を回避できるなら、0円譲渡でも純粋な支出としてはプラスになります。

原状回復費との損益分岐

飲食店の原状回復(スケルトン戻し)の費用相場は、坪5〜15万円程度が目安です(特殊設備や重飲食はさらに高額になります/原状回復費用の相場)。

たとえば15坪の店舗なら、原状回復費は75万〜225万円。これを0円譲渡で回避できれば、その分の支出を丸ごと免れます。設備が古くて値が付かない店こそ、0円でも「居抜きで譲る」方が合理的です。

スケルトン戻しと居抜きの損得は内装工事相場・スケルトン戻し、出口の判断は居抜き売却の3択で詳述しています。

【ナイト業態】バー・スナック・キャバ・コンカフェの造作価値

ここがナイトレジャーM&A仲介ならではの視点です。バー・スナック・キャバクラ・ラウンジ・コンカフェは、一般飲食とは造作価値の構成が違います。

一般飲食は厨房設備(ダクト・グリーストラップ・冷凍冷蔵)が価値の中心です。一方ナイト業態は、厨房が軽い代わりに「客席と演出設備」に価値が乗ります。

具体的には、カウンター・バックバー・ボトル棚・ソファ造作・音響(アンプ・スピーカー配線)・照明演出・モニター・カラオケ通信機器・防音工事です。

これらは「そのまま営業できる状態か」で評価されます。業態別データで「カラオケ・パブ・スナック」が168.6万円と低めに見えるのは厨房が軽い裏返しで、演出設備が整っていれば造作譲渡料は上乗せされます。

【提言】
ナイト店の造作は「設備原価」だけで値付けすると安く見えます。音響・照明・カラオケ・ボトル棚・防音が「即営業できる状態」で揃っていることを、別紙の一覧で見せてください。買い手にとっては「開業準備の時間とコストを買える」価値です。それが造作譲渡料の上乗せ根拠になります。

造作譲渡 vs 居抜き売却 vs M&A──手取りはどう変わるか

造作譲渡と居抜き売却とM&Aの手取り比較 造作譲渡は内装設備のみ 居抜き売却は内装と立地賃借権 事業譲渡M&Aは営業権込みで顧客売上許可人材まで 売れる対象が増えるほど手取りの天井が上がる

造作譲渡は出口の一手段にすぎません。何を「売れる対象」に含めるかで、手取りは大きく変わります。

3スキームの手取り比較

3つのスキームを比較します。下にいくほど売れる対象が増え、手取りの天井が上がります。

スキーム売れる対象対価の源泉向くケースNightMAの評価
造作譲渡内装・設備のみ設備価値+原状回復回避早く軽く抜けたい小規模・スピード重視
居抜き売却内装+立地(賃借権)設備+立地プレミア立地を活かしたい
事業譲渡・M&A営業権込み(顧客・売上・許可・人材)設備+営業権黒字・高値で売りたい手取り最大化
造作譲渡は「設備と立地」のゲームですが、M&Aは「営業権(売上・顧客・ボトルキープ残・キャスト・風営法許可)」まで評価対象になります。

ナイト業態で黒字なら、単なる造作譲渡より高い対価がつき得ます。一方でM&Aはデューデリジェンス・引き継ぎ・税務のコストと時間がかかります。手取りは「売却価格−費用−税金」で決まり、スキームで税負担も変わります(事業譲渡の税金)。

自店がどのスキームで手取りが最大化するかは、規模・黒字か・急ぎ度で変わります。判断軸は店舗売却の4択比較、業態別はバー売却スナック売却キャバクラ売却で解説しています。

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※ しつこい営業はありません

早く動くほど高く売れる──まとめ

造作譲渡の相場は100〜300万円が目安ですが、業態(中華324.9万円〜弁当136.2万円)、設備の状態、立地、そして解約日までの残り時間で大きく変わります。

そして一貫して言えるのは、「早く動くほど高く売れる」ことです。営業中・時間に余裕がある段階こそ、造作も営業権も最も高く評価されます。

設備が古くて値が付かなくても、原状回復費(坪5〜15万円)を回避できるなら0円譲渡でも得になります。さらに黒字なら、M&Aで営業権ごと売る方が手取りは増えます。

NightMAは、ナイトビジネス専門のM&A仲介・居抜き・造作譲渡を扱う立場から、「造作譲渡か、居抜きか、M&Aか」を含めて、匿名で無料査定・相談に乗ります。撤退を考え始めた今が、一番高く売れるタイミングです。

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