キャバクラ売却・M&A|いくらで売れるか、許可はどうなるか、キャストに知られず売る手順【2026】

キャバクラ売却・M&A いくらで売れるか 許可はどうなるか キャストに知られずに売る手順 売り方は許可で決まる3択 造作譲渡の希望額中央値800万円 許可を引き継げるのは相続・合併・分割

「キャストに売却が知れたら、翌日から全員いなくなる」

「居抜き業者に聞いたら、内装の値段しか付かないと言われた」

「風営法の許可は買い手に引き継げるのか。そこが分からず動けない」

キャバクラの売却相談は、この3つで足が止まります。価格の前に、バレる・買い叩かれる・許可の3点が怖いのです。

結論から申し上げます。キャバクラは売れます。ただし売り方は「許可をどう扱うか」で3つに分かれ、価格は内装ではなく「営業が証明できるか」と「キャストが残るか」で決まります。

nightmaはM&A仲介・居抜き譲渡・造作譲渡の3つを扱うナイト業態専門の仲介です。

2026年5月から10月に受託・受領した売り案件85件の内訳は、造作譲渡50件(59%)、株式譲渡25件(29%)、事業譲渡9件(11%)、その他・未定1件でした。

キャバクラの売却で実際に使われるのも、ほぼこの3つの型です。合同会社なら株式譲渡の代わりに持分譲渡になります。

この記事では、3つの売り方と許可の扱い、いくらで売れるかの決まり方、キャストに知られずに引き渡すまでの手順、風営法で決まること、買い手が見るポイントを、一次資料と自社の受託データだけで解説します。

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先に結論:キャバクラの売り方は3つ。分かれ目は「許可」と「キャスト」

売り方風営法1号許可価格を決めるもの向く店
造作譲渡(居抜き)買い手が新規に取る内装・設備を次の人がそのまま使えるか早く畳みたい。キャストは残らない
事業譲渡引き継げない(買い手が取り直す)証明できる営業利益とキャストの残存個人事業・法人の一部の店を売る
株式譲渡名義ごと残る(許可は会社に付く)営業利益×年数+時価純資産。負債も引き継ぐ黒字の法人。許可を止めずに渡したい

風俗営業の許可は営業所ごと・名義ごとに出るもので、事業譲渡では引き継げません。許可の承継が認められるのは相続・合併・分割だけです。ここを知らずに「居抜きかM&Aか」で考え始めると、売却の途中で営業が止まります。

目次

キャバクラの売り方は3つ|許可の扱いで決まる

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キャバクラ売却の3つの売り方|造作譲渡(居抜き)・事業譲渡・株式譲渡と風営法許可の扱い

キャバクラは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第2条第1項第1号の「設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」です。

この許可は第3条で営業所ごとに都道府県公安委員会が出すもので、店を誰に渡すかで扱いが変わります。

売り方を決める順番は「許可をどうするか」が先、「いくらで」は後です。順番を逆にすると、価格が合意できても引き渡せない案件になります。

造作譲渡(居抜き)|当社の受託では59%がこれ

内装・設備・什器を次の借り主に有償で渡し、賃貸借契約は貸主の承諾を得て新しい借り主が結び直す形です。営業・キャスト・常連は原則として引き継ぎません。「店を売る」というより「箱を売る」取引です。

キャバクラの造作はVIP席・カラオケ・音響・照明と重く、新装すれば数千万円かかります。次の人がそのまま使える状態なら、造作譲渡でも相応の値が付きます。

買い手は風営法1号許可を新規に申請します。東京都の場合、警視庁の審査基準では風俗営業の許可は55日以内が処理の目安(行政庁の休日を含まない)とされています。この期間は接待営業ができません。

事業譲渡|営業ごと渡すが、許可は引き継げない

屋号・顧客・キャストとの契約・設備を選んで買い手に渡す取引です。法人は売り手に残るため、負債や過去の問題を切り分けて売れるのが利点です。

ただしキャストとの契約は自動では移りません。雇用なら民法第625条第1項、業務委託なら第539条の2で、本人の承諾があって初めて買い手に移ります。

屋号をそのまま使う場合も注意が要ります。買い手が売り手の商号を続けて使うと、会社法第22条(個人なら商法第17条)で、売り手の事業で生じた債務を買い手も弁済する責任を負います。

遮断するには、譲受け後遅滞なく免責の登記をするか、売り手と買い手の双方から債権者へ通知します。通知で免責されるのは、通知を受けた債権者に対してだけです。

ただし風営法の許可は引き継げません。許可の承継が認められるのは、第7条の相続、第7条の2の法人の合併、第7条の3の法人の分割の3つだけです。合併と分割は公安委員会の事前承認、相続は死亡後60日以内の申請が要ります。

事業譲渡はどれにも当たらないので、買い手が新規に許可を取ります。

つまり事業譲渡は「キャストと営業を渡すのに、許可が下りるまで接待営業ができない」という構造上の弱点を抱えます。当社のナイト業態全体の受託で事業譲渡が11%にとどまる背景の一つです。

株式譲渡|許可・賃貸借・雇用が名義ごと残る

会社ごと売る取引です。許可は会社に付いているので名義を動かさずに済み、賃貸借契約・キャストとの契約・リースもそのまま続きます。営業を1日も止めずに渡せます。

事前承認を受けた合併・会社分割でも許可上の地位は承継できますが、単独店のキャバクラの売買で使われるのは、ほぼ株式譲渡です。

その代わり、簿外債務・未払税金・過去の行政処分も買い手が引き継ぎます。役員が入れ替わるので、新役員に欠格事由があれば許可の取消し対象になります。開示と価格の設計が最も重要なスキームです。

3つの売り方の比較

どの売り方が向くかは、法人か個人か、黒字か、キャストが残るかで決まります。以下の表で自店の位置を確かめてください。

比較項目造作譲渡(居抜き)事業譲渡株式譲渡
風営法1号許可買い手が新規取得買い手が新規取得会社に残る(役員変更の届出)
賃貸借契約旧契約を終了し、買い手が貸主と新規契約貸主承諾のうえ賃借権を譲渡(民法612条)そのまま(経営者交代の承諾条項を確認)
キャスト・売掛金引き継がない選んで引き継ぐそのまま引き継ぐ
価格の決まり方内装・設備の使用価値証明できる利益+キャスト残存利益×年数+時価純資産(負債込みで引き継ぐ)
買い手が営業できない期間許可が下りるまで(売り手が続ければ店は休まない)許可が下りるまで(同左)なし
向く店早く畳みたい・人は残らない個人事業・多店舗の1店だけ売る黒字法人・営業を止めたくない

「許可の空白」を埋める方法は2つしかない

造作譲渡と事業譲渡では、買い手の許可が下りるまで買い手は接待営業ができません。ここで「許可が下りるまで売り手の名義のまま、買い手が店を回す」案が出ますが、これは名義貸しです。

風営法第11条は「自己の名義をもつて、他人に風俗営業を営ませてはならない」と定め、違反は第49条で5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科です。

無許可営業と同じ重さです。法人の業務として行えば、第57条の両罰規定で法人にも3億円以下の罰金が科されます。

線引きは「誰が実際に営業しているか」です。引渡しを先延ばしにして、売り手が経営・収支・従業者の管理を実態として続けるのは名義貸しではありません。買い手が実質的に店を動かし、名義だけ売り手に残すのが名義貸しです。

深夜酒類提供飲食店営業(第33条の届出)に切り替えて営業を続ける案も出ますが、届出営業では接待ができません。キャバクラの営業実態のまま続ければ無許可営業です。

当社が主に使う合法的な選択肢は2つです。買い手の許可取得を停止条件にして、許可が下りるまで売り手が営業を続けて引渡し日をずらすか、株式譲渡(持分譲渡)で名義ごと渡すか。契約の段階でどちらかに決めます。

【NightMA 専門家の視点】
「居抜きで出したのに問い合わせが来ない」という相談の多くは、売り方の選択を誤っています。キャバクラの価値の本体は内装ではなく、数字・人・許可です。

最初に許可の扱いを決め、次に誰を残すかを決め、最後に値段を決める。この順番を逆にした案件は、価格が合っても引き渡せません。

キャバクラはいくらで売れるか|造作と営業で別の数字になる

「キャバクラの相場はいくら」という一律の答えはありません。造作だけを売るのか、営業ごと売るのかで、見る数字がまったく別だからです。ここでは当社の受託データと査定基準で、価格の決まり方を2つに分けて示します。

造作譲渡(居抜き)の相場|希望額の中央値は800万円、成約は50〜95%

当社が2026年5月〜10月に受託・受領したナイト店舗の造作譲渡のうち、売主の希望額が明示された37件の中央値は800万円でした。下位25%が440万円、上位25%が1,500万円です。これは希望額であり、成約額ではありません。

当社の実務では、成約は希望額の50〜95%に着地します。幅が大きいのは、次の人がそのまま使える状態かどうかで、買い手の見方が変わるからです。

キャバクラに限ると、当社のキャバクラの売却・M&A案件一覧には、港区10坪台で造作1,500〜2,000万円、台東区30坪台で1,500〜2,000万円といった募集中の案件が店名を伏せて載っています。

いずれも売主の希望額です。カラオケ・音響・個室が現役で、次の人がそのまま使えることが前提の数字です。

造作譲渡の価格には天井があります。買い手にとっての天井は「新装したらいくらかかるか」で、それより安ければ買う理由が立ちます。

売り手が比べるのは、譲渡の手取りと「原状回復して返したときの手残り」です。原状回復費を免れる分、無償に近い譲渡でも閉店より手残りが大きい場合があります。

この間のどこに落ちるかが交渉です。集計の全体はナイト店舗の売却・居抜き 実データレポート2026で公開しています。

営業ごと売る場合の評価|証明できない売上はゼロと同じ

事業譲渡・株式譲渡では、価格の土台は「正規化した営業利益×年数」に時価の純資産を足した額です。当社の査定では、私的経費などを調整した正規化営業利益に減価償却費を足し戻した「正規化EBITDA」を使います。

年数は買い手が投資を回収する期間で、小型のナイト店舗では3〜5年分から始めます。

正規化とは、オーナーの私的経費や一過性の収支を除き、買い手が引き継いだ後に残る利益に直すことです。ここで一番大きく削られるのが、証明できない現金売上です。

買い手はPOSの日次データ、クレジット決済明細、求人媒体の稼働状況、キャストの在籍記録で売上を裏取りします。申告と食い違う売上は評価に入りません。「証明できない数字はゼロと同じ」が買い手の立場です。

価格を下げる3つのディスカウント

同じ坪数・同じ月商でも売却額が数百万円単位で変わるのは、次の3つが効くからです。売り出す前に自店で確かめてください。

ディスカウント買い手が見るもの売り手が先にできること
数字の信頼性POS・決済明細・申告の整合日次売上をPOSかレジ集計で時系列に残す
キャストの残存上位キャストの継続意向・指名本数・勤続売上上位3〜5名の記録を整理し、継続条件を設計する
貸主の承諾賃借権譲渡・名義変更に貸主が応じるか契約書の譲渡禁止条項と承諾の手順を先に確認する

当社の受託案件で失注理由が記録に残る14件のうち、「貸主・管理会社の承諾が取れない」が2件ありました。価格が折り合わなかったのは1件です。キャバクラの売却が壊れるのは価格より承諾です。

【NightMA 専門家の視点】
「同じ規模なのに、あの店はなぜ高く売れたのか」という質問には、答えが決まっています。

売れた店は数字が証明でき、キャストが残る設計があり、貸主の承諾が先に取れていた。価格は売却前日に作れるものではなく、経営の結果です。

いま買い手が動いている案件の水準(エリア・坪数・賃料・価格帯・スキーム)は、キャバクラの売却・M&A案件一覧で店名を伏せて公開しています。自店と近い条件の案件を見てから、査定を取ってください。

あなたの店が相場の上限・下限どちらに振れるかは、①許可のクリーンさ②内装と業態の適合③ビルがナイト営業OKか④立地の4点でほぼ決まります。店名を出さず、無料で売却査定します。無料で査定する

キャストに知られずに売る手順|相談から引渡しまで

キャバクラの売却で他の業態と決定的に違うのは、情報が漏れた瞬間に事業価値が崩れることです。キャストは翌日から次の店を探し、常連は「潰れるのか」と足が遠のきます。手順はすべて「誰に・いつ・何を知らせるか」の設計です。

買い取り業者に売る前に|仲介との違い

「すぐ現金化できる」と買い取り業者に持ち込む前に、取引の構造を知ってください。買い取り業者は自社で安く買い、次の借り主に高く転売します。差額が業者の利益なので、売り手の手取りは構造的に削られます。

仲介は買い手を複数当て、店名を伏せたまま条件を競わせます。キャバクラの買い手は同業の多店舗オーナー、キャストを抱える幹部の独立、法人の新規参入の3種類で、同じ店でも付ける値が違います。当社は仲介としてこの3種類に同時に当てます。

買い取り業者が向くのは、退去期限が迫り、価格より日数を優先する場合だけです。

手順1|契約書と許可証で「売れるか」を先に判定する

最初に見るのは店ではなく書類です。売れるかどうかは、貸主の承諾が取れるか、許可が引き継げるか、契約の残期間があるかの3点でほぼ決まります。

このうち譲渡制限や許可の名義は、賃貸借契約書と許可証があれば店を見なくても確認できます。貸主の承諾の見込みは、別途打診して確かめます。

確認する書類は次のとおりです。

  • 賃貸借契約書の全ページ(譲渡・転貸禁止条項、解約予告期間、原状回復の特約、保証金の償却)
  • 風俗営業許可証(名義が個人か法人か、営業所の名称、許可の条件)
  • 直近2〜3期の決算書または確定申告書と、POSの月次データ
  • リース契約の一覧(カラオケ・音響・POS・看板)
  • キャストとの契約書面(雇用か業務委託か)と従業者名簿

事業譲渡で賃借権を渡すには民法第612条で貸主の承諾が要り、無断で第三者に使わせると解除の理由になります。造作譲渡でも、買い手が新しく契約を結べるかは貸主次第です。承諾の見込みが立たない店は、いくら高い値が付いても渡せません。

手順2|店名を伏せて買い手を探す

買い手候補には、エリア・坪数・賃料・業態・価格帯だけの資料(ノンネーム)を見せます。店名・住所・写真は、秘密保持契約を結んだ相手にしか出しません。

誰でも見られるM&Aプラットフォームに「キャバクラ売却」と出すと、同業者の目に触れて特定されます。当社は審査した買い手にだけ案件を出し、既に取引のある買い手には個別に当てます。

手順3|条件合意→調査→契約(停止条件を入れる)

買い手が決まったら、価格・売り方・引渡し時期の大枠を先に合意し、そのうえで買い手の調査(財務・法務・事業)に入ります。調査は通常2〜4週間です。

事業譲渡・造作譲渡の契約には、買い手の風営法許可の取得と、賃借権譲渡の承諾または新規賃貸借の成立を停止条件として入れます。許可が下りなければ効力が生じない形にしておけば、名義貸しに頼らずに済みます。

株式譲渡では許可の取り直しがないので、条件は別です。新役員に欠格事由がないこと、賃貸借契約の経営者交代条項について貸主の承諾が得られることを条件にします。

手順4|引渡し|キャスト・売掛金・ボトルキープの順に決める

キャバクラの引渡しは、物より人と債権の整理です。契約の時点で、次の4点を書面に落とします。

項目決めること決めないと起きること
キャストへの説明と承諾順番(幹部→全員)・新オーナー同席の有無・事業譲渡なら本人の承諾を得る期間早すぎると流出、遅すぎると承諾が間に合わず一斉退店
継続の条件上位キャストの継続インセンティブを売却条件に組み込む引渡し後に売上が落ち、価格調整を求められる
売掛金(ツケ)引渡し日までの売掛を誰が回収し、誰のものにするか。買い手に渡すなら客への通知か承諾が要る回収をめぐって売り手・買い手・キャストの三者で揉める
ボトルキープ・会員情報客の預かり物と顧客情報を引き継ぐか、本人に返すか常連の離反と、個人情報の扱いの問題

売掛金を買い手に渡すのは債権の譲渡なので、民法第467条で売り手から客への通知か客の承諾がなければ買い手は客に請求できません。

客に売却を知らせることになるため、実務では引渡し前に回収して売り手に残す設計が多くなります。株式譲渡なら会社が変わらないので、この手続きは要りません。

事業譲渡で顧客情報を渡す場合、事業の承継に伴う個人データの提供は個人情報保護委員会のFAQで第三者提供に当たらないとされています。ただし承継前の利用目的の範囲も引き継がれるので、買い手がそれを超えて使うには原則として本人の同意が要ります。

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風営法で決まること|許可の承継・欠格事由・2025年改正

キャバクラ売却の地雷は風営法に集中しています。ここでは条文に書いてあることだけを、売却に関係する順に整理します。解釈は警察庁の風営法の解釈運用基準(令和7年)に従います。

許可を承継できるのは相続・合併・分割だけ

風営法第7条(相続)、第7条の2(法人の合併)、第7条の3(法人の分割)は、公安委員会の承認を受けたときに限って風俗営業者の地位を承継できると定めています。

相続は被相続人の死亡後60日以内に申請し、承認か不承認の通知までは許可が相続人に出されたものとみなされます。

合併で許可を持つ法人が消滅する場合と、分割で営業を別法人に承継させる場合は「あらかじめ」承認が要ります。承認なしに実行すると、承継先は従前の許可で営業できません。

許可を持つ法人が存続する合併なら、その法人の許可はそのまま続きます。

事業譲渡はこの3つに当たりません。したがって事業譲渡で店を渡す場合、買い手は第3条の許可を新規に申請し、第4条の欠格事由と営業所の基準を一から審査されます。

株式譲渡は会社が変わらないので承継の問題が起きません。役員が替わるときは第9条第3項の変更届出が必要で、許可証の記載事項に当たれば書換えを受けます。

欠格事由は買い手側も見られる

第4条第1項は、許可を取り消されてから5年を経過しない者、一定の刑に処せられて執行を終えた日(または執行を受けなくなった日)から5年を経過しない者、暴力団員などを列挙しています。

法人の場合は役員にこれらの者がいれば法人ごと欠格です。

売却で効くのは、取消しの聴聞が公示されてから処分が決まるまでの間に許可証を返納した者(廃業に相当な理由がある場合を除く)も、返納から5年間は欠格になる点です。

取り消された法人や、この期間に返納した法人の役員も、所定の要件に当たれば同じく5年間欠格です。

株式譲渡で許可の主体は変わらないので、譲渡前の違反に対する行政処分は買い手が引き継ぎます。処分が許可の取消しに至れば、その会社は第4条第1項第6号で5年間欠格になります。株式譲渡で過去の違反を洗い流すことはできません。

過去の処分歴や通報歴は、隠して売ると買い手の調査で出ます。先に開示して条件を設計する方が、発覚後の損失より小さく済みます。

2025年改正|令和7年11月28日までに全面施行

警察庁によれば、悪質ホストクラブ問題を受けた風営法の改正は令和7年5月に成立・公布され、令和7年11月28日までに全ての規定が施行されました。現在施行中の条文(e-Gov、令和7年11月28日施行版)で売却に直結するのは罰則です。

第49条は、無許可で風俗営業を営んだ者と、第11条の名義貸しに違反した者を同じ条文で「5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科」としています。法人の業務として行った場合は、第57条で法人に3億円以下の罰金です。

「許可が下りるまで前のオーナーの名義で営業する」は、この条文に正面から当たります。

廃業するなら許可証の返納が10日以内

売らずに畳む場合、第10条で許可証を公安委員会に返納しなければならず、施行規則第23条で期限は事由の発生日から10日以内、所轄警察署長を経由します。返納で許可は効力を失い、後から「やはり売りたい」と思っても許可付きでは売れません。

閉店にかかる費用と、売却と比べたときの手残りは、キャバクラの閉店費用で坪数別に整理しています。返納の前に、造作譲渡の値が付くかだけは確かめてください。

買い手が見るところ|売る前に自分で確かめる

キャバクラ売却で買い手が調査する項目|財務・法務・事業の3軸

買い手の調査は財務・法務・事業の3軸です。キャバクラで特に見られる項目を、売り手が先に確かめる形で並べます。問題があっても隠さず、価格と条件に織り込むのが「価格を守る」唯一の方法です。

軸買い手が見るものキャバクラで特に問われる点
財務POSと申告の整合、未払金、リース残債、役員貸借現金売上の証明、業者へのツケ、カラオケ・音響のリース残
法務許可証の有効性、欠格事由、賃貸借の譲渡制限、処分歴許可名義が個人か法人か、保護対象施設の新設、行政処分の有無
事業キャストの契約区分、残存意向、常連の依存先、取引先雇用か業務委託かの書面、上位キャストの継続、売掛金の回収状況

キャストとの契約が口約束のままでも契約は成立していますが、買い手は内容と継続性を確認できず、評価上のリスクとして減額します。雇用なら労働基準法第15条で、契約時に賃金や労働時間を書面で明示する義務がそもそもあります。

未整備なら売却に向けて契約内容を書面に整理し直せますが、継続意向の確認は早いほど価格に効きます。

税金と契約の実務|消費税・印紙・貸主承諾

売り方で税金と契約の手続きが変わります。ここは要点だけ示し、詳細はそれぞれの専門記事に委ねます。

造作譲渡と事業譲渡は、国税庁のタックスアンサーで消費税の「資産の譲渡等」に当たり、内装・設備・営業権の対価には消費税がかかります。株式譲渡は株式の譲渡なので消費税は非課税です。売り手の手取り差は、事業譲渡と株式譲渡で大きく変わります。

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賃貸借は、株式譲渡なら契約が続きますが、多くの店舗契約には経営者の交代を貸主に通知・承諾させる条項があります。

事業譲渡で賃借権ごと渡すなら民法第612条の承諾が要り、造作譲渡なら旧契約の終了と買い手の新規契約を貸主と合意します。承諾の取り方と三者合意の実務は、次の記事で解説しています。

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売れる店にしておく3つのこと

当社の受託案件で売却理由を聞き取れた35件のうち、最多は「他の事業・本業に集中したい」の13件(37%)でした。次いで「後継者・人材がいない」が5件(14%)で、経営不振を理由に挙げた案件は多数派ではありません。

つまり売却は、行き詰まってから考えるものではなく、営業が回っているうちに選べる出口です。そのために日常でやっておくことは3つに絞れます。

  • 日次の売上をPOSかレジ集計で時系列に残す。キャスト別の指名本数と売上も記録する
  • 店長・幹部に発注・シフト・クレーム対応を委ね、オーナーがいなくても回る体制にする
  • キャストとの契約を書面にし、賃貸借の譲渡条項と許可証の名義を整理しておく

この3つが揃った店は、営業の価値を数字で示せるので、事業譲渡や株式譲渡でも買い手が値を付けます。揃っていない店は営業の価値を証明できず、内装の価値で見られがちです。売り方の選択肢そのものは、個人事業か法人かで決まります。

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まとめ|キャバクラ売却は、許可・承諾・キャストの順に決める

キャバクラは売れます。売り方は造作譲渡・事業譲渡・株式譲渡の3つで、分かれ目は許可の扱いです。許可の承継は相続・合併・分割に限られ、事業譲渡では買い手が取り直します。許可の空白を名義貸しで埋めてはいけません。

価格は内装ではなく、証明できる利益・キャストの残存・貸主の承諾で決まります。当社受託のナイト店舗では、造作譲渡の希望額の中央値は800万円、成約は希望額の50〜95%です。

手順は、契約書と許可証で売れるかを先に判定し、店名を伏せて買い手を当て、停止条件付きで契約し、キャスト・売掛金・ボトルキープの扱いを書面で決めてから引き渡す。

この順番を守れば、交渉中はキャストに知られずに進められます。事業譲渡で契約を移すキャストには、引渡しの前に説明して承諾を得ます。

【NightMA 経営提言】
店を手放す決断は敗北ではありません。黒字のうちに、許可と承諾の見通しを立て、キャストが残る形で次の経営者へ渡す。

それは経営者の最後の仕事であり、最も手残りの大きい判断です。売却を頭に浮かべたその日が、動き出す日です。

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買う側の視点(新規開業との比較・許可の取り直し・非公開案件の探し方)はキャバクラ買収の相場と手順へ。譲渡後に屋号を変える買い手は少なくありません。名称を変える場合の届出は店名を変えるときの風営法の届出に整理しています。

よくある質問

キャバクラの風営法許可は売却時に引き継げますか?

事業譲渡と造作譲渡では引き継げません。風営法で許可の承継が認められるのは相続・合併・分割(第7条、第7条の2、第7条の3)だけで、買い手が新規に許可を申請します。株式譲渡なら会社に許可が残るので名義は動きません。

キャバクラはいくらで売れますか?

造作譲渡と営業ごとの売却で見る数字が違います。当社受託のナイト店舗の造作譲渡は希望額の中央値が800万円で、成約は希望額の50〜95%です。営業ごと売る場合は、証明できる営業利益に年数を掛け、純資産を足して評価します。

キャストやスタッフに知られずに売れますか?

できます。買い手には店名を伏せた資料だけを出し、秘密保持契約を結んだ相手にしか店を特定する情報を渡しません。キャストへの説明は契約後に幹部から順に行い、事業譲渡なら本人の承諾を得る期間を引渡し前に取ります。

売掛金(ツケ)やボトルキープはどうなりますか?

契約で決めます。引渡し日までに発生した売掛金を誰が回収し誰のものにするか、客の預かり物と顧客情報を引き継ぐか本人に返すかを契約書に書きます。

売掛金を買い手に渡すなら客への通知か承諾(民法第467条)が要るため、引渡し前に回収して売り手に残すのが実務上は多い形です。

許可が下りるまで前のオーナーの名義で営業してもいいですか?

買い手が店を回し、名義だけ前のオーナーに残す形はできません。風営法第11条の名義貸しに当たり、第49条で5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科です。

許可が下りるまで前のオーナーが実態として営業を続け、許可取得を停止条件に引渡しをずらすか、株式譲渡で名義ごと渡します。

赤字のキャバクラでも売れますか?

売れます。営業利益がなくても、内装・設備が次の人にそのまま使える状態なら造作譲渡の値が付きます。当社の受託では売却理由の最多は「本業に集中したい」で、売却理由は経営不振に限りません。

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参考:エリア別の坪単価マップ(公示地価×実勢賃料)

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現在募集中のキャバクラのM&A・売り案件(2件)

掲載はすべて社名を伏せたノンネーム情報です。案件は日々変動し、お問い合わせ時点で成約・交渉中の場合があります。

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