「上野の店を、できれば誰にも知られずに売りたい。でも――スタッフや常連にバレないか。買い取り業者に足元を見られて買い叩かれないか。そもそも、うちの箱に本当に値段が付くのか」。売却を考え始めたオーナーの多くが、この3つで足が止まります。ですが上野・湯島は、下町の常連ごと引き継ぎたい買い手や、承継先を探す層が動く街。正しく進めれば「高く・静かに」売り切れます。
ネットで調べても出てくるのは物件ポータルか、一般飲食店向けの売却相場ばかり。上野のナイト市場に絞った「売り方」の情報は、まとまっていないのが現実です。
結論から申し上げます。上野は新宿・六本木より家賃を抑えやすい下町の中価格帯で、上野駅周辺・仲町通り・湯島で主役業態がはっきり分かれます。
そして、仲町通りで台東区と文京区の行政が切り替わる「区またぎ」、高齢ママの事業承継ニーズ、多国籍化という、上野ならではの論理で売買が動きます。
この記事では、上野・湯島・仲町通り・御徒町のエリア別相場、業態別の居抜きレンジ、風営法と区またぎの特殊事情、売却手順、そして「バレずに高く売る手順」まで、ナイトレジャーM&A仲介のnightmaが地域特化で解説します。
上野でナイト店舗を居抜き売却したい人へ|まず押さえる全体像
上野で居抜き売却を考えるなら、結論として「上野は下町・中価格・区またぎ」の市場だと理解してください。この3つが、価格と売り方を決めます。
上野は「下町・中価格・区またぎ」の市場
歌舞伎町が買い手の厚い大衆市場、六本木が高級クラブの高単価市場なら、上野は下町情緒の中価格帯です。
新宿・六本木より家賃を抑えやすく、昭和から続くスナックからコンカフェまで業態の幅が広い。だから、初めて独立するママ候補や、コストを抑えて2店舗目を狙う層に選ばれやすい街です。
一方で、上野は台東区、湯島は文京区と行政区が分かれ、その境界が歓楽街のど真ん中を通ります。これが上野の売却を独特にしています。歌舞伎町・渋谷・六本木・池袋の事情は、歌舞伎町のナイト居抜きガイド・渋谷のナイト居抜きガイド・六本木のナイト居抜きガイドで解説しています。
居抜き・造作譲渡は撤退コストを抑える手段
居抜き売却とは、内装や設備(造作)を次の借主へ有償で引き継ぐ造作譲渡を組み合わせた売却です。原状回復工事を抑え、撤去費を軽減できます。
上野のナイト店舗は雑居ビルの空中階・地下の小箱が多く、解体・原状回復に手間がかかります。居抜きで渡せれば、その費用を売却益に変えられます。基本構造は居抜き売却の完全ガイドで解説しています。
上野圏のナイトエリアマップ
上野圏は、エリアで主役業態も客層も性格が大きく違います。まず全体像を押さえてください。
| エリア | 主力業態・特徴 | 客層・性格 |
|---|---|---|
| 上野駅周辺(広小路口〜中央通り) | キャバクラ・ガールズバー・スナック・居酒屋 | 華やか・雑多/観光客・サラリーマン |
| 仲町通り(上野2丁目〜湯島3丁目) | ガルバ・スナック・ラウンジ・外国人系バー | 上野最大の歓楽街・国際色・区またぎ |
| 湯島(文京区1〜3丁目) | スナック・ラウンジ・バー・小箱クラブ | 格式・常連・接待寄り |
| 御徒町・アメ横周辺 | バー・ガルバ・多国籍飲食 | はしご酒・インバウンド |
上野駅周辺・仲町通り・湯島・御徒町のエリア別の賃料とナイト事情
公示地価で見る上野の地価トレンド(賃料の先行指標)
賃料の実務感覚に入る前に、土地そのものの公的評価である公示地価を押さえます。地価は賃料や造作価格の先行指標で、上昇局面は売り手に追い風になります。
| 地点(商業地) | 公示地価 | 坪換算 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 外神田四丁目100番 | 1,440万円/㎡ | 約4,760万円 | +12.5% |
| 上野六丁目109番1 | 1,230万円/㎡ | 約4,066万円 | +12.8% |
| 上野4丁目38番5 | 1,230万円/㎡ | 約4,066万円 | +9.8% |
上野周辺の商業地の公示地価は、前年比プラス14.3%(中央値)と、上昇が続いています(出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ・2025年公示地価)。
【NightMA 専門家の視点】
地価が上がる局面は、賃料や造作の相場も後から押し上げられます。出口を考えるなら、相場が乗っているうちに動くのが鉄則です。

上野圏で売却・開業を考えるなら、エリアごとの違いを押さえてください。結論として、上野駅周辺は華やか、仲町通りは歓楽街の核、湯島は格式と、エリアで主役業態が分かれます。
上野駅周辺|華やか・雑多な歓楽街
上野駅の広小路口から中央通り・上野2丁目にかけては、キャバクラ・ガールズバー・スナック・居酒屋が密集する歓楽街です。
観光客・サラリーマン・インバウンドが入り混じり、明るく活気のある接客の店が多いのが特徴です。下町ならではの大衆性が強く、価格帯は手頃で、回転重視の小箱が中心になります。
仲町通り|上野最大の歓楽街、台東区と文京区の境界線
上野で最も特徴的なのが仲町通りです。上野2丁目(台東区)から湯島3丁目(文京区)にまたがる歓楽街で、ガールズバー・スナック・ラウンジ・外国人系バーが集中します。
実際の募集でも、仲町通り沿いの4階でガールズバー居抜き(現業態はバー・スナック)が造作譲渡440万円といった事例があります。空中階の小箱でも、数百万円単位の造作評価が普通に付く市場です。
ここで重要なのが、仲町通りが台東区と文京区の境界だという点です。同じ一本の通りでも、店の位置で管轄する役所も条例も変わります。この構造は、後の章で詳しく解説します。
湯島|格式ある大人の小箱街
湯島(文京区1〜3丁目)は、湯島天神に近い、格式ある大人の街です。スナック・ラウンジ・バー・小箱クラブが中心で、常連・接待寄りの落ち着いた営業が主流です。
上野駅周辺の「華やか・雑多」に対し、湯島は「静かに語らう」性格が強くなります。古くから続く常連型のスナック・ラウンジが多く、店の価値が内装よりも客層と歴史に宿るエリアです。
御徒町・アメ横周辺|多国籍・はしご酒
御徒町からアメ横にかけては、バー・ガールズバー・多国籍飲食が並ぶ、はしご酒向けの街区です。近年はインバウンドと外国人就労者の増加で、多国籍化が進んでいます。
外国人客・外国人オーナーの比率が高まり、多言語で営業するナイト店舗も増えています。買い手も日本人オーナーだけとは限らない、独特の市場になりつつあります。
業態別:上野で「いくらで」居抜きが動いているのか

自分の業態の箱がいくらで売れるか、これが最も知りたい点でしょう。結論として、上野の造作譲渡額は、小箱のスナック100万円台からキャバクラの1,000万円超まで、業態と立地で変わります。
業態別の造作譲渡レンジ
上野の公開事例(仲町通り4階のガールズバーで造作440万円、上野駅周辺の平均坪単価が約2.7万円)を踏まえたレンジが次の通りです(公開事例とナイト実務知見による参考値・実際は個別査定が必要)。
| 業態 | 上野圏の造作譲渡レンジ(実務目安) | nightmaの評価 |
|---|---|---|
| スナック | 100〜300万円 | 小箱・老舗が多く相場のベースライン |
| バー | 150〜400万円 | 仲町通り・御徒町に流通量が多い |
| ラウンジ | 200〜500万円 | 湯島の常連型が中心 |
| ガールズバー | 300〜600万円 | 仲町通り4階で440万円の実例 |
| コンカフェ | 300〜600万円 | 上野駅周辺・若年向け |
| キャバクラ・ニュークラブ | 400〜1,000万円超 | 箱の格・風営可否で大きく振れる |
ただし、この表はあくまで出発点です。あなたの箱が同じ業態レンジの上限に近づくか下限に沈むかは、①風営許可のクリーンさ ②内装の状態と業態適合 ③ビルがナイトOKか ④立地(仲町通りの中心か)の4点で決まります。
たとえば同じ小箱スナックでも、常連と許可がクリーンで仲町通り至近なら上限側へ、内装が古く承継相手がいなければ下限側へ振れます。レンジの幅は、そのまま「売り方しだいで動く余地」です。
上野は「下町・中価格」、坪単価は2〜3万円台が中心
上野の居抜き売却で押さえたいのが、坪単価の水準です。上野駅周辺の店舗賃料は平均で坪2.7万円前後と、新宿・渋谷・六本木より一段安くなります。
当社が把握する上野の実例でも、坪単価は3万円台前半が中心です。家賃を抑えて参入できることが、買い手のすそ野を広げ、下町ならではの流動性を生んでいます。
老舗スナックは「内装より客層」で値が決まる
上野・湯島の老舗スナック・ラウンジは、内装の豪華さより、常連客とママの存在で価値が決まります。長年通う常連がいる店は、造作以上の価値を持ちます。
ただし、その価値を引き継ぐには、ママの残留や常連の引き継ぎを設計する必要があります。単に箱だけを渡すのか、客やママごと事業として渡すのかで、売却額は大きく変わります。
【NightMA 専門家の視点】
上野の売却で多い誤解は、「下町だから安くしか売れない」という思い込みです。確かに坪単価は六本木より安い。しかし、常連が根付いた老舗スナックや、仲町通りの好立地ガルバは、内装の原価を超える値が付くことがあります。下町だからこそ、客層・立地・歴史という「箱の外側の価値」を正しく言語化できる仲介かどうかで、売却額が変わります。
上野ならではの風営法・用途地域・台東区/文京区の客引き条例

上野の居抜き売却には、他エリアにない地域固有の論点があります。結論として、「上野・湯島は特定地域ではない」「仲町通りで台東区と文京区の手続きが変わる」「両区連携の客引き条例が厳しい」という3点を押さえてください。
上野・湯島は「特定地域」ではない
歌舞伎町や渋谷の道玄坂は、風営法の特定地域で、保全対象施設からの距離制限が適用除外されます。しかし上野・湯島は違います。
東京都の特定地域は、銀座・新橋・歌舞伎町・渋谷道玄坂・六本木などに限られ、上野・湯島は含まれません。むしろ、学校・児童施設・病院・湯島天神などの保全対象施設からの距離制限が、商業地域でも厳格に適用されます。歓楽街だから取りやすい、とは限りません。
営業延長許容地域で午前1時まで営業できる
一方、上野には深夜営業の強みがあります。風俗営業は原則午前0時までですが、上野・湯島は営業延長許容地域(商業地域に限る)に指定され、午前1時まで営業できます。
台東区では上野1〜7丁目・東上野1〜6丁目・台東1〜4丁目など、文京区では湯島1〜3丁目・本郷1〜4丁目などが対象です(警視庁の告示地域)。営業時間の詳細は風営法の営業時間ガイドで解説しています。
仲町通りは台東区と文京区で手続きが変わる
上野で最も特殊なのが、この区またぎです。仲町通りは台東区(上野側)と文京区(湯島側)の境界で、店の位置でルールが切り替わります。
風俗営業許可の申請先は、上野側が上野警察署、湯島側が本富士警察署です。飲食店営業許可も、上野側は台東保健所、湯島側は文京保健所と分かれます。つまり、同じ仲町通りでも、区境をまたぐと申請先・条例・客引き規制が変わります。
そのため居抜き売却では、「上野側(台東区案件)」と「湯島側(文京区案件)」を別ものとして査定し、風営可否・営業時間・客引き運用を整理して買い手に説明する必要があります。これを知らない一般の居抜き業者では、対応しきれません。
台東区・文京区連携の客引き条例と「許可のクリーンさ」
上野・湯島は、客引き対策が特に厳しいエリアです。台東区は区内全域で客引き行為を禁止し、上野地区を客引き行為等防止重点地区(特定地区)に指定して、違反者に過料5万円を科しています(2017年10月施行・台東区)。
さらに台東区と文京区は2017年から客引き防止条例で連携し、上野・湯島を特定区域として共同でパトロールしています。区をまたいで連携する例は珍しく、それだけ取り締まりが本気だということです。
この結果、上野では客引き依存型の店より、常連・SNS集客型の店の方が売却しやすくなっています。風営許可の更新履歴・行政指導歴・無許可営業の有無といった「許可のクリーンさ」自体が、買い手のデューデリジェンスで重視され、売却価値の一部になっています。
上野ならではの売却の勘所|高齢ママの承継と多国籍化
上野の売却には、市場特有の追い風があります。結論として、高齢ママの事業承継ニーズと、多国籍化による買い手の広がりが、上野の出口を作っています。
高齢ママ・後継者不在の事業承継ニーズ
上野・湯島には、昭和から続く老舗スナック・ラウンジが多く、高齢のママが営む店が一定数あります。後継者不在で「閉めるしかない」と考える店も少なくありません。
しかし、常連が根付いた店は、廃業より事業承継・居抜き売却の方が手残りが大きくなります。店ごと引き継ぎたい買い手は確実に存在します。事業承継の選択肢は居抜きの引き継ぎ・売却ガイドで解説しています。
多国籍化と外国人オーナーという買い手層
御徒町・アメ横の多国籍化により、上野では外国人客・外国人オーナーが増えています。多言語で営業するナイト店舗も珍しくありません。
つまり、上野の買い手は日本人だけではありません。外国人系の買い手プールも持つ仲介なら、売却の選択肢が広がります。買い手のすそ野が広いことは、上野で売る側の強みになります。
上野=華やか/湯島=格式で売り方が変わる
同じ上野圏でも、上野駅周辺の華やかな店と、湯島の格式ある常連店では、響く買い手が違います。前者は活気と立地、後者は常連と歴史が価値になります。
だから、一律の相場や売り方では適正額に届きません。エリアと業態に合わせて買い手を選べる仲介を選ぶことが、上野で価格を最大化する近道です。
上野で居抜き売却を成功させる手順と高く売れる箱の条件
最後に、実際の進め方です。結論として、上野の売却は区またぎと業態で買い手プールが分かれるため、上野のナイトに詳しい仲介を選ぶことが成否を分けます。
買い取り業者に売る前に|仲介との違い
売却を考え始めると、買い取り業者から「すぐ現金化します」と営業が来ます。ですが買い取りは、業者が安く買って高く転売するモデル。利益の出どころは、売主の手取りを削ったぶんです。
nightmaは買い取りではなく仲介です。売主側に立ち、複数の買い手を水面下で競わせて、いちばん高い条件を引き出します。店名・会社名は出さないノンネーム前提。さらにナイト専門だから、区またぎ(台東区・文京区)・高齢ママの承継・ビル承諾という上野固有のボトルネックを、提携行政書士と連携して実務でほどきます。「早く・安く手放す」のではなく、「高く・静かに売り切る」ための座組みです。
高く売れる箱のチェックリスト
上野で高く売れる箱には、明確な条件があります。自店がどれだけ満たすか確認してください。
- 上野1〜7丁目・湯島1〜3丁目など営業延長許容地域で午前1時まで営業できる
- 風営許可・深夜酒類届がクリーンで、客引き・無許可営業の指導歴がない
- 用途地域・保全対象施設からの距離を満たし、買い手が同業態を続けられる
- 台東区案件か文京区案件かが整理され、申請先・条例が明確
- 常連・ママの承継、または多国籍客への対応方針が整理されている
- 内装・設備が次の借主の業態に転用しやすい
居抜き売却の進め方
上野での売却は、次の手順で進めます。区またぎと業態で買い手探索の方法が変わる点が重要です。
- 賃貸借契約の確認(解約予告・造作譲渡可否・ビルの業態審査)
- 売却方針の決定(造作譲渡だけか、客やママごとの事業譲渡か)
- 上野ナイトに強い仲介へ相談(台東区/文京区で手続きが違う)
- 査定(坪数・賃料・造作・立地・風営状況・常連やママの価値)
- 買い手募集(エリアと業態に合った買い手へ打診。多国籍の買い手も)
- 内覧・条件交渉(営業中の秘匿内覧)
- ビルオーナー承諾・契約(買い手の経歴確認)
- 引き渡し・常連やスタッフの承継設計
まとめ:上野の居抜き売却は「区またぎ」と「箱の外側の価値」で決まる
上野のナイト居抜き売却について、要点を整理します。
第一に、上野は下町の中価格帯の市場で、買い手のすそ野が広く、独立や2店舗目の入口になりやすい街です。造作譲渡額はスナック100万円台からキャバクラの1,000万円超まで、業態と立地で決まります。
第二に、上野駅周辺(華やか)・仲町通り(歓楽街の核)・湯島(格式)と性格が分かれ、仲町通りでは台東区と文京区の行政が切り替わります。同じ通りでも、店の位置で申請先も条例も変わります。
第三に、上野・湯島は特定地域ではないが営業延長許容地域で午前1時まで営業でき、両区連携の客引き条例が厳しいぶん「許可のクリーンさ」が売却価値になります。高齢ママの承継と多国籍化が、上野独自の出口を作っています。
上野・湯島のお店、いくらで売れる?——実勢の概算を無料で
閉店すれば「原状回復+空家賃+リース残」の持ち出し。
売却なら、居抜き(造作譲渡)の実勢は賃料の6〜10倍。
営業ごとのM&Aも含め、出口しだいで手取りは数百万円単位で変わります。
店名は伏せたままでOK。在籍やお客様・大家さんに伝わることはありません。
友だち追加後、「売却相談」とだけ送信でOK
まず試算だけなら → 30秒売却診断(匿名・タップだけ)
※ しつこい営業はありません
NightMAの経営提言:
上野は、下町の人情と、台東区・文京区の行政が交差する、独特のナイト市場です。仲町通りを一本またぐだけで、申請先も条例も変わる。昭和から続く老舗スナックは、内装ではなく常連とママに価値が宿る。だからこそ、一律の相場や一般の居抜き業者では、上野の箱の本当の価値にたどり着けません。nightmaは、ナイトレジャー・飲食店のM&A、居抜き(造作譲渡)、Web支援までを一気通貫で扱い、上野の区またぎと業態の違いを読み解いて、あなたの箱に最も高い値段と、最も静かな出口を設計します。売ろうと決めたら、名前を出さずに、まずご相談ください。
上野はコンカフェの出店が続くエリアです。コンセプトごと譲るか許可を残すかで手法が変わるため、コンカフェ売却の相場と株式譲渡・事業譲渡の使い分けを参考にしてください。
