「もうこのメンズエステを畳もうと思う。でも個室を作り込んだし、セラピストもいる。閉めるのに一体いくらかかって、何を片付ければいいのか分からない」。そう感じて検索された方は少なくありません。
メンエスは個室・シャワー・防音を作り込むぶん原状回復が跳ね、さらに「届出・無届」という許可の問題と、セラピストの精算が同時に絡む業態です。だから閉店は「ハコを壊す」だけでは終わりません。
結論から申し上げます。20坪のマンション型メンエスをスケルトン返しで閉めると、費用総額は400〜900万円規模に達することがあります。
そして見落とされがちですが、無届で営業していた店は、閉めても摘発リスクが3年間消えません。一方で、顧客リスト・セラピスト・SNSごと事業譲渡できれば、その営業権が現金に変わります。畳んで費用を払うのか、価値ごと売るのか。メンエスはここで結果が大きく分かれます。
この記事では、個室の原状回復・廃止届・セラピスト精算まで、メンエス閉店費用の内訳を実額で分解します。そのうえで損を消す出口を、ナイトレジャーM&A仲介のnightmaが解説します。
メンエス閉店費用の全体像|まず総額の目安を知る

メンエスの閉店費用は、結論として店舗規模で大きく変わり、ワンルーム型で50〜150万円、マンション型(複数室)で200〜500万円、テナント型(20坪超)で400〜900万円規模が目安になります。個室造作の原状回復と、許可・セラピストの処理という3つが重なるためです。
なぜここまで幅が出るのか。まず全体像を押さえてください。
メンエス閉店費用は「個室造作の原状回復」が最大の山
閉店費用は、原状回復・解約予告家賃・リース残債・セラピスト精算・廃業手続きの合計です。メンエスはこのうち原状回復が、個室間仕切り・シャワー給排水・防音という造作のせいで一般飲食店より重くなります。
費用構造は小箱主体という点でバーに近い面もあるため、バー閉店費用の記事もあわせて参考にしてください。
メンエスが「思ったより高くつく」3つの理由
メンエスの閉店費用が見積もりより膨らむのには、明確な3つの理由があります。
| 理由 | メンエスの実態 | nightmaの評価 |
|---|---|---|
| 個室・シャワー・防音の造作 | 間仕切り多数・給排水配管・遮音材の撤去 | 原状回復が坪15〜30万円へ |
| 許可の処理が業態で異なる | 届出済みは廃止届、無届は閉店後もリスク | 手続きを誤ると刑事リスク |
| セラピスト業務委託の精算 | 売掛・前借・飛び・偽装請負の地雷 | 残債と労務トラブルが残る |
【NightMA 専門家の視点】
メンエス閉店で最も惜しいのは、苦労して育てた顧客リストと指名セラピストを、原状回復費を払って手放してしまうことです。メンエスの本当の価値は個室の内装ではなく、リピート客とセラピスト、そしてSNSの集客導線にあります。畳む前に、その資産を事業譲渡で現金化できないか。これを検討せずに解体業者を呼ぶのは、最ももったいない撤退です。
原状回復費|個室・シャワー・防音で「坪15〜30万」に跳ねる理由
閉店費用の最初の柱が原状回復費です。結論として、個室・シャワー・防音を備えたメンエスの原状回復はスケルトン返しで坪15〜30万円に達し、一般飲食店(坪5〜12万円)の1.5〜3倍になります。
メンエスの原状回復が飲食店より重い構造
店舗全般の原状回復は坪3〜10万円、飲食店標準で坪5〜12万円が目安です(リホームナビ)。メンエスはここに、個室造作特有の撤去工事が上乗せされます。
| 仕様 | 坪単価(モデル) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 一般飲食店 | 坪5〜12万円 | 軽飲食・カウンター主体 |
| 個室少なめ・シャワー共用 | 坪10〜20万円 | 軽い間仕切り撤去 |
| 個室多数+個別シャワー+防音 | 坪15〜30万円 | 給排水・遮音材の全撤去 |
撤去費が跳ね上がる4つの要因
メンエスの原状回復が膨らむのは、次の造作がスケルトン復旧の対象になるためです。
- 個室ごとの間仕切り壁・パーティションの解体と壁・床・天井の復旧
- 各個室に引いたシャワー・洗面の給排水配管の撤去と原状復旧
- 防音・遮音材(界壁の厚増し・遮音シート・二重床)の撤去
- 増設した電気容量・空調・ダクトのビル標準への戻し
坪数別の原状回復はいくらか
これらを踏まえ、メンエスのスケルトン返しの原状回復費を坪数別に整理します(坪単価は出典の相場、総額は本記事のモデル試算)。
| 坪数・仕様 | 坪単価(モデル) | 原状回復費(モデル) | nightmaの評価 |
|---|---|---|---|
| ワンルーム(10坪・1〜2室) | 坪10〜20万円 | 約100〜200万円 | 軽微な間仕切り中心 |
| マンション型(15坪・3〜4室) | 坪15〜25万円 | 約225〜375万円 | 給排水撤去で上振れ |
| テナント型(20坪・6〜8室) | 坪15〜30万円 | 約300〜600万円 | フル防音で最大級 |
解約予告・違約金・工事期間中の二重賃料
原状回復費の次に重いのが、賃貸借契約に紐づく費用です。結論として、家賃を払いながら原状回復工事の期間も負担するため、メンエスでも「空家賃」が数十万〜数百万円の柱になります。
マンション型・テナント型で異なる解約予告
メンエスはマンションの一室を借りるルーム型・マンション型と、ビルの区画を借りるテナント型に分かれます。事業用のテナント契約では解約予告6か月前が一般的、マンション型の居住用に近い契約でも2〜3か月前予告が多くなります。
20坪・家賃35万円のテナント型なら、解約予告3〜6か月で家賃だけで105〜210万円。営業をやめても、予告期間の家賃は収入ゼロのまま発生し続けます。
工事期間中も家賃は止まらない
注意すべきが工事期間中の賃料です。個室の解体と給排水・防音の撤去は数週間〜1か月以上かかり、その間も家賃は発生します。解約予告期間と工事期間が重なれば、収入ゼロのまま二重で家賃を払うことになります。退去時期の逆算は居抜きで退去するタイミングで解説しています。
設備・備品のリース残債と処分
見落とされやすいのがリース残債です。結論として、メンエスは施術ベッド・シャワーユニット・予約システム・タブレットなどをリース導入していることが多く、中途解約で合計20〜80万円の一括負担が発生し得ます。
リース中途解約の基本構造
リース契約を期間内に解約すると、残存期間分のリース料を一括請求されるのが原則です。精算額は「残月数 × 月額リース料 + 規定損害金」が基本で、途中でやめても契約期間分の支払いから逃れられません。
メンエスのリース機器モデル
メンエスは予約管理システム、決済端末、施術ベッドや美容機器、個室のシャワー・給湯設備などをリースで導入しているケースがあり、室数が多いほど残債が積み上がります。新オーナーへ名義変更(債務引受)できれば軽減できます。リース品の処理は居抜き・造作譲渡でリース品はどうするで解説しています。
セラピストの最終精算|売掛・前借と「飛び・偽装請負」の地雷
メンエスの閉店では、セラピストとの精算が独特の難所になります。結論として、業務委託の最終精算(売掛・前借の相殺)を閉店前に確定させ、同時に「労働者性」を争われないよう契約終了として処理する必要があります。
最終精算で確定すべき3項目
セラピストの多くは業務委託契約です。閉店時には次の3つを各人ごとに確定し、最終精算書に署名をもらってください。
- 売掛(締日をまたいだ指名バック・施術歩合・オプションバックの未払分)
- 前借金(日払いで前渡ししたバック、店貸し・備品立替)
- 相殺後の最終支払額または残債額
「飛び」リスクは閉店前の運用変更で抑える
閉店を早く全員へ告知すると、前借だけ増やして連絡不能になる「飛び」のリスクが高まります。実務では、閉店の1〜2週間前に非公開で「最終出勤日・最終締日・精算日」をセット告知し、前借停止・日払い制限で残債を膨らませない運用に切り替えます。
【NightMA 専門家の視点】
メンエス閉店で最も労務トラブルになりやすいのが、業務委託のはずのセラピストに「労働者性」が認定されるケースです。シフトを強制し、待機を求め、施術内容を細かく指示していると、業務委託と呼んでいても実態は労働者と判断されます。そうなると契約終了は「解雇」となり、労基法20条の解雇予告手当(30日前予告か平均賃金30日分)や、賃金全額払いの原則(前借の一方的控除は不可)が問題になります。閉店を「業務委託の契約終了」として通せるかは、日頃の運用実態で決まります。
前借の控除は契約条項がないと否定される
業務委託の報酬から前借金を相殺すること自体は民法上可能ですが、契約書に相殺条項がないと後の紛争で否定されやすくなります。不透明な「罰金」「ペナルティ」も同様です。閉店前に契約書の相殺条項と前借台帳を確認しておいてください。
行政・法務|「届出済みは廃止届」「無届店は閉店後も摘発される」

メンエスの閉店で最も誤解が多いのが許可の処理です。結論として、店舗型性風俗特殊営業として届出済みなら廃止届が必要で、無届で性的サービスをしていた店は、閉めても3年間は摘発リスクが残ります。
まず「自店がどの区分か」を確認する
メンエスは実態によって扱いが分かれます。性的サービスの要素がなく純粋なリラクゼーションなら、風営法上の性風俗規制の対象外(一般エステ)です。
一方、手技などで性的サービスを行い、それを広告で誘引していれば、風営法上の店舗型性風俗特殊営業として扱われます。自店の区分の判定はメンズエステと風営法の完全ガイドで詳しく解説しています。
届出済み店の廃止手続き
届出をして営業していた店は、廃業時に所轄警察署(生活安全課)経由で公安委員会へ廃止届を提出します(神奈川県警察)。あわせて税務上の廃業手続きも必要です。
個人事業なら税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を廃止の日から1か月以内に提出します(提出自体に罰則はありません)。法人なら解散の日から2週間以内に解散・清算登記(登録免許税等4万1,000円)を行い、税務署・市区町村へ異動届を出します。廃業届の手順は風営法の廃業届(廃止届出)で解説しています。
無届店は「閉店しても摘発が終わらない」
最も重要な警告です。性的サービスの実態がありながら無届で営業していた場合、それは風営法の無届営業にあたります。店舗型性風俗特殊営業は許可制ではなく届出制で(同法第27条第1項)、届出をせずに営めば第53条第5号により6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその併科の対象です。
ここで誤解しやすいのが、「閉めれば終わり」という思い込みです。閉店そのものは違法ではありませんが、過去の無届営業という犯罪事実は残ります。
長期5年未満の拘禁刑・罰金にあたるこの罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法第250条)で、起算点は最後の営業日です。つまり、最後に営業した日から3年間は、閉店後でも捜査・送検され得ます。退職者の告発やHP・SNSの記録が証拠になるケースもあります。
【提言】
心当たりがあるなら、閉店の前に行政書士・弁護士へ相談してください。閉店を決めた時点で性的サービスの提供を止め、HP・予約サイト・SNSの過去掲載を整理することが先決です。グレーな実態のまま事業譲渡で第三者へ引き継ぐと、買い手にもリスクが及びます。nightmaは、適法に出口を取れる形に整える前提でしかご支援しません。
在庫(オイル・タオル)と残置物の処分費
費用項目の最後が在庫と残置物の処分です。結論として、メンエスはオイル・タオル・個室什器・美容機器の処分が発生し、20〜50万円規模になります。
不用品処分と什器の扱い
メンエスは施術ベッド、シャワー什器、ロッカー、タオル・リネン類、オイルや消耗品の在庫を抱えます。これらは原状回復の解体費とは別に、産業廃棄物の処分費として発生します。状態の良い美容機器・ベッドは買取業者で現金化でき、居抜きで残せば処分費そのものが消えます。
【実額】20坪マンション型メンエスの閉店費用シミュレーション

ここまでの内訳を、実額の総額として組み立てます。結論として、20坪テナント型メンエスはスケルトン返しで400〜900万円、顧客・セラピストごと事業譲渡できれば持ち出しをゼロ〜プラスに転じられます。
20坪・家賃35万円・6室|スケルトン返しケース
坪1.75万円・家賃35万円の個室型メンエスを前提にしたモデル試算です(金額は出典の相場、合計は本記事の試算)。
| 費用項目 | 金額(モデル) | 根拠 |
|---|---|---|
| 原状回復費 | 300〜600万円 | 坪15〜30万円(個室・防音) |
| 解約予告家賃 | 105〜210万円 | 3〜6か月分 |
| リース残債 | 20〜80万円 | 契約内容次第 |
| セラピスト最終精算 | 30〜100万円 | 売掛・前借の精算 |
| 不用品処分・廃業手続き | 20〜50万円 | 什器産廃+登記 |
| 合計イメージ | 約475〜1,040万円 | モデル試算 |
同条件|顧客・セラピストごと事業譲渡ケース
同じ店を、顧客リスト・セラピスト・SNSごと事業譲渡できた場合です。
| 項目 | 金額(モデル) | 根拠 |
|---|---|---|
| 原状回復費 | 0〜100万円 | 解体不要 |
| 造作・備品のみ譲渡 | +30〜200万円 | 居抜き造作の評価 |
| 顧客・セラピスト込み事業譲渡 | +50〜200万円超 | 無形資産の評価 |
| 合計イメージ | 持ち出しゼロ〜プラスへ | モデル試算 |
黒字で固定客・セラピストが盤石なら、年買法(時価純資産+営業利益2〜5年分)でさらに伸びます。造作譲渡の相場は造作譲渡の相場、事業譲渡の税務は事業譲渡の税金を参照してください。
メンエスの閉店動向と「先延ばしほど損が増える」構造
ここで時間軸の話をします。結論として、2026年現在ナイト・サービス業態の倒産は増加しており、赤字で粘るほど営業損失・閉店費用・顧客離れが重なります。
夜系業態の倒産は過去最多ペース
東京商工リサーチによると、2026年1月の飲食業倒産は92件で過去30年で最多、夜系業態の倒産も増加基調です(東京商工リサーチ)。集客をポータルと広告費に依存するメンエスは、客足が鈍ると一気に赤字化しやすい構造です。
赤字で粘ると無形資産が溶ける
メンエスで危険なのは、赤字を抱えたまま粘ることです。毎月の営業損失と固定費に加え、粘るほど指名セラピストが他店へ移り、顧客が離れ、最大の資産である「セラピストと顧客リスト」が溶けていきます。グレーな実態のまま粘れば、無届営業の期間が延び、刑事・税務リスクも積み上がります。
【提言】
メンエスの撤退は、セラピストと顧客が残っているうちに動いてください。原状回復費を払って閉めれば数百万円の持ち出し、顧客・セラピストごと事業譲渡すれば無形資産が現金に変わる。その分岐は「人と顧客が抜ける前か後か」で決まります。資金が尽きるまで粘るのが、最も価値を失う選択です。
居抜き・事業譲渡で「閉店費用をゼロ〜プラス」にする出口戦略
ここまでの費用を、どう圧縮するか。結論として、メンエスはグレーゆえ許可に値は付きませんが、顧客リスト・セラピスト・SNS・予約システムという無形資産を事業譲渡で残せます。
「許可」ではなく「無形資産」を売る
メンエスの多くは無届〜グレーで、許認可そのものに価値はほぼ付きません。代わりに買い手が評価するのは、リピート客の顧客リスト、指名トップを含むセラピストの継続意思、X(旧Twitter)やランキングサイトでの集客ポジション、予約システムです。
これらをまとめて譲れば、買い手は完成された顧客基盤ごと引き継げます。居抜き売却の進め方は居抜き売却の完全ガイドを参照してください。メンエスの売却で何が評価され、いくらで売れるかの全体像はメンエス売却の完全ガイドで解説しています。
顧客リストの引き継ぎは「事業譲渡」の形で
ただし顧客リストは慎重な扱いが必要です。名簿だけを切り出して売るのは、個人情報保護法上の本人同意なき第三者提供にあたり違法となり得ます。一方、店名・業態を継続する事業譲渡に伴う承継であれば、原則として本人同意なしに引き継げます(個人情報保護委員会)。
さらにメンエス特有の論点として、適法に出口を取るには「グレーな営業実態を引き継がない」設計が不可欠です。風俗・グレー業態のM&Aの全体像は風俗店売買・M&Aの完全ガイドで解説しています。ここはナイトM&Aの専門知識が必要な領域です。
NightMAの経営提言:
メンエスの閉店は、「個室をいくらで壊すか」ではなく「顧客とセラピストをいくらで残して終わるか」の勝負です。個室を作り込んだ店をスケルトンで壊せば数百万円の持ち出し、ですが顧客リスト・セラピスト・SNSごと事業譲渡できれば、その無形資産が現金に変わる。しかも届出の処理や、無届店の閉店後リスク、個人情報の承継には専門知識が要ります。nightmaは、ナイトレジャーのM&A、居抜き(造作譲渡)、Web支援までを一気通貫で扱い、許可と個人情報の整理は提携の行政書士と連携して、適法かつ最も価値の残る出口を設計します。解体業者を呼ぶ前に、一度ご相談ください。
まとめ:メンエス閉店は「無形資産」を残せるかで結果が変わる
メンエスの閉店費用について、要点を整理します。
第一に、20坪テナント型メンエスをスケルトン返しで閉めると、個室・防音の原状回復・解約予告家賃・セラピスト精算で総額475〜1,040万円規模に達します。個室を作り込んだ店ほど重くなります。
第二に、許可の処理を間違えてはいけません。届出済みなら廃止届と税務の廃業手続き、無届で性的サービスをしていた店は閉店後も3年間摘発リスクが残ります。閉める前に専門家へ相談してください。
第三に、メンエスの本当の価値は個室の内装ではなく、顧客リスト・セラピスト・SNSです。これを事業譲渡で残せば、無形資産が現金に変わります。壊して捨てるか、価値ごと売るか。出口の設計で、結果は大きく変わります。
メンエスの閉店費用、nightmaに無料相談
ナイトビジネス専門のM&A仲介・居抜き・造作譲渡・Web集客支援。閉店費用の試算から顧客・セラピストごとの事業譲渡まで、届出・個人情報の手続きは提携の行政書士と連携してサポートします。LINEの友だち追加でお気軽にどうぞ。
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あわせて読みたい:メンズエステ開業の手順と資金の作り方
