風営法許可は自分で取れる?DIY申請の全手順・必要書類・図面で詰まる理由と”承継”という第3の道【2026年最新】

「行政書士に十数万円払うなら、風営法の許可を自分で取れないのか」

「申請手数料は24,000円なのに、なぜ外注費がそんなにかかるのか」

このように、風営法許可を自分で(DIY)取りたいと考える開業オーナーは少なくありません。

結論から申し上げます。自分で申請すること自体は可能です。ただし営業の類型で難易度が激変し、深夜酒類提供の届出はDIYの余地が大きい一方、1号営業や特定遊興は失敗コストが跳ね上がります。

この記事では、自分で申請する全手順、警視庁ベースの必要書類、図面で詰まる理由、受理されない典型不備までを解説します。

さらに、DIY向きの類型の見極めと、「居抜き・M&Aで申請そのものを回避する」第3の道まで、警察庁通達と各都道府県警の公的資料をもとに整理します。

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風営法許可は自分で取れるのか──結論:可能。ただし類型で難易度が激変

風営法の許可・届出は、行政書士に依頼せず自分で申請できます。法律上、申請者本人が行うことを妨げる規定はありません。

ただし「取れる」と「楽に取れる」は別物です。深夜酒類提供飲食店営業の届出と、1号営業(社交飲食店)や特定遊興飲食店営業の許可では、求められる審査項目の層の厚さがまるで違います。

届出は手数料も不要で営業開始10日前まで、許可は審査55日が目安で図面・実地調査まで必要です。この差を理解せずに「全部自分で」と踏み込むと、開業日が後ろ倒しになる地雷を踏みます。

まず、自店がどちらに当たるかを見極めることが、DIY可否判断の出発点です。

まず確認|自店は「許可」か「届出」か

DIYの可否は、自店が「許可」と「届出」のどちらに当たるかで大きく変わります。ここを最初に確定してください。

許可が必要な類型・届出でよい類型

接待を伴う社交飲食店(キャバクラ・ラウンジ・スナック等)は1号許可、深夜0時以降に主として酒類を提供するバー等は深夜酒類提供飲食店営業の届出、クラブ等の遊興は特定遊興の許可、ゲームセンター等は5号許可です。

許可制(1号・特定遊興・5号)は審査を通って初めて営業でき、届出制(深夜酒類)は届け出れば営業できます。許可と届出の線引きは風営法許可とは何かで詳しく整理しています。

【NightMA 専門家の視点】
DIYで最初に事故るのは「自店の類型を読み違えたまま物件を契約する」ケースです。接待をするのに深夜酒類の届出で済むと思い込む、クラブなのに1号で出そうとする──この入口のズレが、後の補正地獄と開業遅延に直結します。物件契約の前に類型を確定してください。

自分で申請する全手順

風営法を自分で取る申請の全手順 物件の用途地域と保護対象施設からの距離確認 所轄警察署生活安全課への事前相談 必要書類と図面の作成 申請と手数料納付 警察の実地調査 補正対応 許可証の交付

自分で申請する場合の流れは、書類を書く前の「確認」と「事前相談」が勝負です。ここを省くと、後工程で必ず跳ね返ってきます。

DIYの実務フローは次の7ステップで進みます。

  1. 物件の用途地域・保護対象施設からの距離を確認する
  2. 所轄警察署(生活安全課)へ事前相談する
  3. 必要書類と図面を作成する
  4. 申請書を提出する(手数料を納付)
  5. 警察による実地調査を受ける
  6. 不備があれば補正に対応する
  7. 許可証の交付を受ける
特に①と②を飛ばして物件を契約すると、地域制限で営業できない物件を借りてしまう最悪の事態が起きます。順番が鉄則です。

必要書類一覧(警視庁ベース)と図面で詰まる理由

許可申請の必要書類は警視庁が公開しています。書類の数自体に加え、自作の難しい図面が最大の壁になります。

個人・法人・管理者の必要書類

警視庁が示す必要書類

まず、警視庁が示す主な必要書類を押さえてください。これらを自分で揃え、不備なく整える必要があります。

  • 許可申請書・営業の方法を記載した書類(所定様式)
  • 営業所の使用権原を疎明する書類(賃貸契約書・使用承諾書・建物登記事項証明書等)
  • 営業所の平面図・営業所周囲の略図
  • 個人:本籍記載の住民票・身分証明書・誓約書(欠格事由非該当)
  • 法人:定款・登記事項証明書・株主名簿の写し・役員の住民票/身分証明書・誓約書
  • 管理者:誓約書・住民票・身分証明書・6か月以内の写真(3.0cm×2.4cm)
  • ぱちんこ屋(5号系):遊技機の検定通知書の写し・保証書等
欠格事由に1つでも当たると許可は下りません。誰が欠格に当たるかは風営法の欠格事由で確認してください(一次情報は警視庁の許可申請ページ)。

自作が最難関の図面(平面図・周囲略図・求積図)

図面で9割が詰まる理由

DIYで9割の人が詰まるのが図面です。求められるのは「見やすいレイアウト図」ではなく「審査に耐える図」だからです。

京都府警の平面図記載例では、平面図の縮尺はおおむね1/50〜1/100、客室は赤線・営業所は青または黄線で囲み、面積・出入口・カウンター・テーブル・椅子・衝立の位置まで明示します。

そして客室床面積は「内のり」で計算し、壁厚や柱面積の控除まで必要です。おおむね高さ1m以上の仕切り・衝立で見通しを妨げると技術上の基準違反になります。

さらに照明・音響設備図や求積図は分けて作成する運用もあり、図面の完成度が受理可否と補正回数に直結します。図面の書き方は風営法の図面で詳述しています。

警察署の事前相談で必ず確認すること

事前相談は、DIY成功の生命線です。警察庁通達は相談に原則複数の警察職員で対応するとしており、日時調整を要するため予約前提で動くのが安全です(警察庁通達)。

実務上は、1回で終わらないと考えてください。次の3段階で進むのが現実的です。

  • 1回目:物件・用途地域・保護対象施設・業態判定の確認
  • 2回目:図面・書類ドラフトの確認
  • 3回目:補正点の確認
これは通達が「申請書類のみで判断せず、実地調査や関係機関照会を十分に行う」としていることとも整合します。所轄によって図面の分け方や写真の求め方が変わるため、自分の所轄の運用を直接確認するのが最短です。

「受理」と「許可」は別物──受理されない典型不備

DIYで最も誤解されるのが、「書類を出せた=許可される」という思い込みです。受理は窓口で受け付けられた段階にすぎません。

警察庁の審査票モデルは「受理年月日」「現地調査年月日」「許可年月日」を別欄で管理しています。受理・実地調査・許可は完全に別の段階です。

受理されない典型不備

受理・補正で問題になりやすい典型不備は、次のパターンに集約されます。

  • 縮尺の不統一・求積の誤り(柱・壁厚・除外部分の計算ミス)
  • 図面と現況の不一致(実地調査で発覚)
  • 見通しを妨げる設備の描き漏れ
  • 物件契約後に発覚する用途地域・保護対象施設からの距離制限
特に最後の地域制限は、DIY最大の事故です。立地の可否は風営法の禁止地域で確認し、契約前に所轄へ相談してください。

DIY向きの類型 vs 依頼推奨の類型

類型別のDIY適性 深夜酒類提供は届出で手数料なしでDIY余地あり 風俗営業1号は許可24000円で難しい 特定遊興は許可で難しい 風俗営業5号は遊技機書類で専門的

ここが本記事の核心です。すべての類型を同じDIY難易度で語るのは誤りです。届出と許可で、自力で回せる現実性が大きく変わります。

類型ごとのDIY適性を整理します。最終列はnightmaの実務評価です。

営業の類型制度手数料DIY適性NightMAの評価
深夜酒類提供飲食店営業届出なし○ 余地あり禁止地域確認と平面図整合さえ押さえれば現実的
1号営業(社交飲食店)許可24,000円△ 難しい面積・見通し・実地調査で失敗コスト大
特定遊興飲食店営業許可要確認△ 難しい客室33㎡以上・照度・騒音基準まで重い
5号営業(ゲーセン・遊技機)許可27,800円等× 専門的遊技機の検定通知書等で難易度最上位
深夜酒類提供飲食店営業は、許可ではなく届出で、営業開始の10日前までに管轄警察署へ提出し、手数料も不要です(愛知県警)。禁止地域の確認と平面図さえ整えればDIYの余地があります。詳細は深夜酒類提供飲食店営業の届出で解説しています。

依頼推奨の類型(1号・特定遊興・5号)

一方、1号営業は客室面積(2室以上なら1室16.5㎡以上・和風9.5㎡以上)・見通し阻害設備・客室の施錠設備・照度・騒音まで審査されます。特定遊興はさらに客室一室33㎡以上・照度10ルクス以下とならない設備・騒音振動基準まで重なります。

いずれも失敗コストが高く、1号許可特定遊興は依頼推奨です。

5号営業は、遊技機の検定通知書の写し・保証書・諸元表・構造図などが加わり、DIY難易度は最上位です(手数料はぱちんこ屋等で27,800円。千葉県警の手数料一覧、解説は風営法5号許可)。

【3択比較】自分で取る/行政書士に依頼/居抜き・M&Aで承継

自分で取る依頼する承継する3択比較 自分で取るは手数料24000円と実費で許可55日目安 行政書士に依頼は報酬12万円から補正リスク減 居抜きM&Aで承継は新規申請を回避短縮で早期開業

費用を考えるとき、選択肢は2つではありません。「居抜き・M&Aで許可を承継し、新規申請そのものを回避する」第3の道があります。

3択を費用と期間で比較します。

選択肢初期費用開業までの期間向くケースNightMAの評価
自分で取る手数料24,000円+証明書・図面実費許可55日目安/届出は10日前提出時間があり図面・補正を自力で回せる深夜酒類のみ現実的
行政書士に依頼報酬12万円〜+実費補正リスクを下げやすい開業日優先・警察対応に不安1号・特定遊興は王道
居抜き・M&Aで承継案件次第・申請再設計を圧縮し得る新規申請を回避/短縮余地早期開業・既存基盤も引き継ぎたい条件が合えば最安・最速
行政書士費用の相場は風営法の行政書士費用で15事務所を比較しています。

ただし、許可は営業者にひもづくため、居抜きや事業譲渡で当然に引き継げるわけではありません。風営法は相続・合併・分割による地位の承継を承認制で定めています。

株式譲渡で許可主体の法人を維持するのか、事業譲渡で営業主体が変わるのかで、扱いが分かれます。

つまり「承継できるか」はスキーム・営業主体・構造設備変更・所轄運用を踏まえた個別判断が必要です。許可の引き継ぎ実務は風営法許可の承継居抜き売却で整理しています。

失敗の本当のコスト=開業日の後ろ倒し(機会損失)

DIYのコストを「行政書士報酬を節約できた額」だけで測るのは危険です。本当のコストは、許可遅延による開業日の後ろ倒し=機会損失にあります。

標準処理期間と機会損失

許可申請の標準処理期間は「定められない」が、東京都の運用では55日以内が目安で、行政庁の休日は含まず、補正や未完成物件では崩れます。

その間、家賃・内装ローン・先行採用した人件費・広告費はすでに走り出しています。許可が1か月遅れれば、売上ゼロのままキャッシュだけが流出します。

NightMAの経営提言:
「行政書士費用を10万円浮かせた」喜びは、開業が1か月遅れた瞬間に吹き飛ぶ。家賃・人件費・広告費が先行する飲食・ナイト業態では、許可遅延は数十万円〜の機会損失だ。DIYは「安いか」ではなく「予定開業日に間に合うか」で判断する。間に合わないなら、依頼か、そもそも居抜き承継で申請を回避する。これが2026年の賢い順序です。

DIY判断チェックリスト

最後に、自分で取るべきか依頼すべきかを判断するチェックリストです。1つでも不安があれば、依頼または承継を検討してください。

  • 自店の営業類型(許可か届出か)を確定できている
  • 物件契約前に用途地域・保護対象施設からの距離を所轄に確認した
  • 平面図・周囲略図・求積図を基準どおりに自作できる
  • 客室面積・見通し・照度・施錠設備の要件を満たせる
  • 所轄警察署へ複数回の事前相談に行く時間がある
  • 補正で開業が遅れても先行コストに耐えられる
深夜酒類の届出でほとんどにチェックが付くならDIYは現実的です。1号・特定遊興・5号で不安が残るなら、無理をしないのが結果的に最安です。
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まとめ

風営法許可は自分で取れます。ただし類型で難易度が激変し、深夜酒類提供の届出はDIYの余地が大きい一方、1号営業・特定遊興・5号は図面・面積・実地調査の壁が高く、失敗コストが跳ね上がります。

DIYの判断軸は「安いか」ではなく「予定開業日に間に合うか」です。許可遅延は、先行する家賃・人件費・広告費を空回りさせる機会損失だからです。

そして選択肢は「自分で取る」「行政書士に依頼」だけではありません。NightMAは、ナイトビジネス専門のM&A仲介・居抜き・造作譲渡を扱う立場から、「居抜き・M&Aで許可を承継し、新規申請そのものを回避できないか」まで含めて、匿名で無料相談に乗ります。

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