性風俗関連特殊営業とは?届出区分(5区分)の全体像|風俗営業との違い・禁止区域・広告規制まで完全解説【2026年最新】

「自分の事業は、風営法の許可が必要なのか。それとも届出で済むのか」

「デリヘル、動画配信、ソープ──これらは同じ扱いなのか。どの区分に当たるのか」

このように、性風俗関連特殊営業の区分や手続きが分からず迷う方は少なくありません。

結論から申し上げます。性風俗関連特殊営業は、風営法の風俗営業(1〜5号)とは別の制度で、「許可制」ではなく「届出制」です。そして法令上は5つの区分に分かれます。

ただし2026年現在、「届出だから簡単」というのは大きな誤解です。特に店舗型は、営業禁止区域や広告規制が非常に重く、多くの地域で新規参入は極めて困難です。

この記事では、ナイト業界専門のM&A仲介として許可と届出の実態を見てきた立場から、5区分の定義と条文・届出手続き・風俗営業との違い・営業禁止区域・広告規制・そして区分ごとの事業価値とM&Aの見方までを、条文と警察公式情報をベースに整理します。

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目次

まず結論|「届出制」だが自由ではない

性風俗関連特殊営業を理解するうえで最初に押さえるべきは、「届出制だが自由ではない」という事実です。風俗営業のような許可審査はない一方で、場所と広告の規制が非常に重くのしかかります。

そして、ひとくちに性風俗関連特殊営業といっても、法令上は5つの区分に分かれます。自分の事業がどの区分かで、根拠条文も手続きも変わります。

まずは全体像を一覧で押さえてください。

区分根拠(定義/届出)代表業態nightmaの評価
店舗型性風俗特殊営業第2条第6項/第27条ソープ・店舗型ヘルス・ストリップ・ラブホテル・アダルトショップ禁止区域が重く新規は極めて困難。立地が価値
無店舗型性風俗特殊営業第2条第7項/第31条の2デリヘル・AV等通信販売店舗型より参入余地あり。運営と顧客基盤が価値
映像送信型性風俗特殊営業第2条第8項/第31条の7アダルト動画・画像の配信デジタル型。立地制約は軽いが規制理解が必須
店舗型電話異性紹介営業第2条第9項/第31条の12テレフォンクラブ市場自体が縮小・限定的
無店舗型電話異性紹介営業第2条第10項/第31条の17ツーショットダイヤル・伝言ダイヤルニッチ。制度理解が前提
なお、「4区分」と表記されることもありますが、法令上は5区分で整理するのが正確です。次の章から、まず風俗営業との制度の違いを見ていきます。

風俗営業との違い|許可制と届出制

風俗営業1から5号は許可制で公安委員会の審査を経て許可 性風俗関連特殊営業は届出制で営業開始10日前までに届出 入口は軽いが場所と広告の規制が重い 届出制でも自由ではない

性風俗関連特殊営業を語るうえで欠かせないのが、風俗営業(1〜5号)との制度の違いです。両者は同じ風営法の中にありますが、手続きの性質がまったく異なります。

風俗営業(キャバクラ・スナック・クラブ・ゲームセンター等)は「許可制」です。公安委員会の審査を経て、許可を受けて初めて営業できます。許可の全体像は「風営法許可とは」で解説しています。

これに対し、性風俗関連特殊営業は「届出制」です。公安委員会への許可審査はなく、営業開始前に届け出ることで足ります。警察庁の資料でも、性風俗関連特殊営業は届出制によって実態を把握し、規制を課す制度として整理されています。

ただし、ここを誤解してはいけません。「届出制=審査がない=自由」ではありません。届出後も、後述する営業禁止区域・広告規制・年少者規制・従業者名簿などの規制が重く課されます。

【NightMA 専門家の視点】
「許可じゃなくて届出だから楽」という認識で動くと、必ず足をすくわれます。許可制(風俗営業)は入口の審査が重い代わりに、通れば一定の地位が認められます。届出制(性風俗)は入口の審査こそ軽いものの、その分、場所の規制と広告の規制で実質的に縛る設計です。つまり「どこで・どう宣伝して営業できるか」のハードルは、むしろ性風俗のほうが高い。制度の入口だけ見て判断するのは危険です。

性風俗関連特殊営業の5区分一覧【比較表】

性風俗関連特殊営業の5区分 店舗型第2条第6項届出第27条ソープ店舗型ヘルス 無店舗型第7項第31条の2デリヘル 映像送信型第8項第31条の7動画配信 店舗型電話異性紹介第9項第31条の12 無店舗型電話異性紹介第10項第31条の17 営業開始10日前までに所轄警察署へ届出

性風俗関連特殊営業の5区分を、定義条文・届出条文・店舗の有無・参入難易度で横並びに比較します。自分の事業がどこに当たるかを、この表で判定してください。

総称は風営法第2条第5項で定義され、店舗型・無店舗型・映像送信型・店舗型電話異性紹介・無店舗型電話異性紹介の5つを指します。

区分定義届出条文店舗の有無参入難易度の実態
店舗型性風俗特殊営業第2条第6項第27条あり禁止区域が重く、多くの地域で新規は極めて困難
無店舗型性風俗特殊営業第2条第7項第31条の2店舗なし・事務所/受付所あり店舗型より余地はあるが規制は重い
映像送信型性風俗特殊営業第2条第8項第31条の7実店舗不要・事務所届出立地制約は軽いが配信内容規制あり
店舗型電話異性紹介営業第2条第9項第31条の12あり市場が縮小・限定的
無店舗型電話異性紹介営業第2条第10項第31条の17なしニッチ
いずれの区分も、届出は営業を開始しようとする日の10日前までに、所轄警察署(公安委員会)へ提出します。届出書の様式番号や必要書類は都道府県によって異なるため、自店の所轄で確認してください。

店舗型性風俗特殊営業(第2条第6項・届出第27条)

店舗型性風俗特殊営業は、店舗を構えて性的サービスや関連物品を提供する営業です。風営法第2条第6項で定義され、届出根拠は第27条です。

代表的な業態として、警視庁や各県警の案内では、ソープランド、個室マッサージ(店舗型ヘルス)、ストリップ劇場・個室ビデオ、ラブホテル・モーテル、アダルトショップ、出会い系喫茶などが挙げられています。

この区分の最大の特徴は、後述する営業禁止地域・営業禁止区域の規制が最も重いことです。届出制でありながら、立地の制約によって、新規に店舗を構えること自体が多くの地域で極めて困難です。

そのため店舗型では、すでに適法に営業している立地そのものが希少価値を持ちます。これが、後述するM&A・事業価値の見方に直結します。

無店舗型性風俗特殊営業(第2条第7項・届出第31条の2)

無店舗型性風俗特殊営業は、店舗で客を接するのではなく、派遣などの形でサービスを提供する営業です。第2条第7項で定義され、届出根拠は第31条の2です。

代表的な業態は、派遣型ファッションヘルス(いわゆるデリヘル)や、アダルトビデオ等の通信販売です。店舗で客を待つのではなく、事務所や受付所を拠点に運営します。

店舗型のような店舗の禁止区域規制は相対的に軽いものの、事務所・受付所の場所や、広告、従業者管理、年齢確認の規制は重く及びます。「店舗がないから規制も軽い」わけではありません。

デリヘルの開業・経営の実務は「デリヘル開業」、売却の実務は「デリヘル売却」で解説しています。メンズエステの違法ラインと届出区分の判定は「メンズエステと風営法」を参照してください。

映像送信型性風俗特殊営業(第2条第8項・届出第31条の7)

映像送信型性風俗特殊営業は、性的な映像を電気通信設備によって客に送信する営業です。第2条第8項で定義され、届出根拠は第31条の7です。放送・有線放送は除かれます。

具体的には、アダルト動画・画像をインターネット等で配信・販売する事業が該当します。実店舗を構えないオンライン中心の営業ですが、それでも届出は必要で、事務所の所在地などを届け出ます。

立地の制約は店舗型より軽く、デジタルで拡張しやすい一方、配信内容の規制や広告規制、年齢確認の理解が欠かせません。「店がないから風営法は関係ない」という思い込みが、最も危険な落とし穴です。

電話異性紹介営業(店舗型・無店舗型)

電話異性紹介営業は、面識のない異性との電話による会話を取り次ぐ営業です。店舗型(第2条第9項・届出第31条の12)と無店舗型(第2条第10項・届出第31条の17)に分かれます。

店舗型電話異性紹介営業は、店舗などの設備を設けて営むテレフォンクラブ営業です。無店舗型電話異性紹介営業は、店舗を設けないテレフォンクラブ営業で、ツーショットダイヤルや伝言ダイヤルなどが該当します。

これらの市場は、携帯電話やインターネットの普及で大きく縮小しています。ただし、営む場合は届出が必要で、年少者保護・広告・通信形態の規制が及ぶ点は他の区分と変わりません。

営業禁止区域と広告規制

性風俗関連特殊営業の「届出でも自由ではない」を最も象徴するのが、営業禁止区域と広告規制です。特に店舗型では、この2つが新規参入の大きな壁になります。

店舗型性風俗特殊営業の営業禁止地域・営業禁止区域は、第28条系統に根拠があります。

営業禁止区域(保護対象施設の周囲)

各都道府県の条例により、学校などの保護対象施設の周囲一定範囲は、店舗型の営業禁止区域とされます。

たとえば兵庫県警の案内では、保護対象施設の敷地から周囲200メートルの区域が営業禁止区域とされ、保護対象施設として学校・図書館・児童福祉施設・病院(有床診療所を含む)・博物館・公民館・スポーツ施設が挙げられています。

ただし、距離や対象施設は都道府県の条例によって異なります。自店の所轄エリアの基準を必ず確認してください。

広告・宣伝の規制

広告規制も厳格です。香川県警の案内では、店舗型性風俗特殊営業について、学校等の周囲や条例で定める特定地域では広告物の表示・ビラ等の頒布をしてはならず、広告・宣伝をするときは18歳未満の者が立ち入ってはならない旨の文言表示が必要とされています。

風俗営業の広告規制が第16条であるのに対し、性風俗関連特殊営業には区分ごとに個別の広告規制が置かれており、制度として風俗営業より厳格です。広告規制の全体像は「風営法の広告規制」で解説しています。

届出でも自由ではない理由

性風俗関連特殊営業は届出でも自由ではない3つの壁 営業禁止区域は保護対象施設の周囲で出店不可第28条系統 広告規制は学校周辺やビラ禁止と18歳未満立入禁止表示 年少者使用禁止と従業者名簿第36条と確認記録第36条の2

ここまでを踏まえて、改めて強調します。性風俗関連特殊営業は届出制ですが、届け出さえすれば自由に営業できる制度ではありません。

届出後も、次の規制が重く及びます。これらは風俗営業と共通する部分も多く、コンプライアンスの負荷はむしろ重い場合があります。

  • 営業禁止地域・営業禁止区域(特に店舗型)
  • 区分ごとの広告・宣伝規制
  • 18歳未満の使用禁止・年少者規制(年少者接客業務従事禁止違反など)
  • 接客従業者の年齢確認(年齢確認
  • 従業者名簿の備付け(従業者名簿
特に店舗型は、都道府県条例による営業禁止地域の設定と、保護対象施設からの距離規制により、新規に出店できる立地が限られます。条文に「新規は不可」と書いてあるわけではありませんが、結果として多くの地域で新規参入は極めて困難です。禁止地域の考え方は「風営法の禁止地域」も参照してください。

【NightMA独自】区分別の事業価値とM&Aの見方

ここからが、一般的な許認可記事が踏み込まない領域です。性風俗関連特殊営業は、区分によって「何が価値の源泉か」がまったく異なります。M&A・事業譲渡の見方も区分ごとに変わります。

なお、以下は法令の明文ではなく、地域規制や運用を踏まえた経営上の整理です。

店舗型は、新規出店が多くの地域で極めて困難なため、すでに適法に営業している立地そのものが希少価値を持ちます。立地の希少性が、そのまま事業価値に直結しやすい区分です。

無店舗型・映像送信型は、立地の制約が相対的に軽いため、価値の源泉は立地ではなく、オペレーション・広告運用・ブランド・顧客基盤に移ります。M&Aでも、これらの無形資産がどれだけ整っているかが評価軸になります。

そして、風俗営業(1〜5号)の許可業態と比べると、性風俗関連特殊営業は「許可の承継」よりも、届出・営業主体・事務所・広告運用・既存取引の再構築が出口戦略の論点になりやすい点も押さえておくべきです。

NightMAの経営提言:
性風俗関連特殊営業を「届出だけの簡単な事業」と見るのは、入口だけを見た判断です。本当の難しさは、届出の後にある場所規制・広告規制・年少者規制であり、店舗型に至っては、新規参入そのものが多くの地域で閉ざされています。だからこそ、すでに適法に回っている事業には希少価値が生まれます。2026年、この領域で動くなら、「届出できるか」ではなく「適法に続けられる立地と運営を持っているか」で価値を測ってください。

よくある質問(FAQ)

Q. 性風俗関連特殊営業は、許可と届出のどちらが必要ですか?

届出です。風俗営業(1〜5号)が公安委員会の許可制であるのに対し、性風俗関連特殊営業は届出制です。営業を開始しようとする日の10日前までに、所轄警察署(公安委員会)へ届け出ます。ただし届出制でも、営業禁止区域・広告規制・年少者規制などが重く及び、「届出すれば自由」ではありません。

Q. デリヘル・ソープ・アダルト動画配信は、それぞれどの区分ですか?

デリヘル(派遣型ファッションヘルス)は無店舗型性風俗特殊営業(第2条第7項)、ソープランドや店舗型ヘルスは店舗型性風俗特殊営業(第2条第6項)、アダルト動画・画像の配信は映像送信型性風俗特殊営業(第2条第8項)です。それぞれ届出根拠条文が異なります。

Q. 届出をすれば、すぐに営業を始められますか?

営業を開始しようとする日の10日前までに届け出る必要があります。ただし、店舗型は営業禁止地域・禁止区域に該当すればそもそも営業できず、広告規制や年少者規制も及びます。届出が受理されることと、その場所で適法に営業を続けられることは別問題です。

Q. 新しく店舗型(ソープ等)を開業できますか?

条文上「新規は不可」と定められているわけではありませんが、各都道府県の条例による営業禁止地域の設定と、保護対象施設からの距離規制により、新規に出店できる立地は多くの地域で極めて限られます。実務上、店舗型の新規参入は非常に困難です。

Q. 性風俗関連特殊営業にも、従業者名簿や年齢確認の義務はありますか?

あります。風俗営業と同じく、従業者名簿の備付け(第36条)と、接客従業者の生年月日等の確認・確認記録の作成保存(第36条の2)が及びます。18歳未満の使用禁止などの年少者規制も適用されます。届出制だからといって、これらの運営義務が軽くなるわけではありません。

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まとめ

性風俗関連特殊営業は、風俗営業(1〜5号)の許可制とは別の「届出制」です。法令上は5区分(店舗型・無店舗型・映像送信型・店舗型電話異性紹介・無店舗型電話異性紹介)に分かれ、根拠は風営法第2条第5項〜第10項にあります。

各区分は営業開始の10日前までに所轄警察署(公安委員会)へ届出します。届出根拠は店舗型=第27条、無店舗型=第31条の2、映像送信型=第31条の7、店舗型電話異性紹介=第31条の12、無店舗型電話異性紹介=第31条の17です。

ただし「届出だから簡単」は誤解です。特に店舗型は営業禁止区域や広告規制が非常に重く、多くの地域で新規参入は極めて困難です。届出後も年少者規制・従業者名簿・確認記録の義務が及びます。

この領域で動くなら、「届出できるか」より「適法に続けられる立地と運営を持っているか」で事業価値を測るべきです。nightmaは、許可・届出を含むコンプライアンスの整理から、適法に回る事業の居抜き・M&A・造作譲渡まで支援します。

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